▲写真=NEWSIS
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏家族によるタイ移住を支援した疑惑が持たれている中小ベンチャー企業振興公団の元バンコクセンター長A氏はこのほど、本紙の電話インタビューに応じ、「当時会社ではバンコクで家を探している人物がダヘ氏だという事実を誰も教えてくれなかった」と証言した。A氏は不動産業者を紹介し、家の契約が完了した後もバンコクに引っ越してくる人物が誰なのか知らなかったという。
A氏は「..
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▲写真=NEWSIS
文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏家族によるタイ移住を支援した疑惑が持たれている中小ベンチャー企業振興公団の元バンコクセンター長A氏はこのほど、本紙の電話インタビューに応じ、「当時会社ではバンコクで家を探している人物がダヘ氏だという事実を誰も教えてくれなかった」と証言した。A氏は不動産業者を紹介し、家の契約が完了した後もバンコクに引っ越してくる人物が誰なのか知らなかったという。
A氏は「2018年5月ごろ、本社で海外組織を管理する部署の担当者が『処長の知人がバンコクで住む場所を探している。不動産を調べてほしい』と求めてきたため、バンコク現地の韓国人不動産業者B氏の連絡先を本社に伝えた。その時、家を探していた人物がダヘ氏だという事実は最近知った」と話した。また、「移住しようとしている人物の名前と連絡先を尋ねたが、本社担当者も『処長の知人』が誰なのか知らないようだった。後日B氏から『一人の女性が家を下見し、契約も済ませた』という連絡だけを受けた」と振り返った。
本紙の取材を総合すると、A氏は先月、文前大統領の元娘婿S氏のタイイースタージェット特例採用疑惑を捜査している全州地検に出頭し、事情聴取を受けた。その際、不動産業者B氏も聴取を受けた。検察はA氏に電話した中小ベンチャー企業振興公団の職員と処長、指示を出した上層部について調べを進めているという。検察は当時理事長だった李相稷(イ・サンジク)元民主党議員が中小ベンチャー企業振興公団の職員を使い、秘密裏にダヘ氏家族のタイへの移住を支援したとみている。部長検事出身の弁護士は「中小企業を支援する政府系機関の職員を私的に動員したこと自体に法令違反の可能性がある」と話した。
一方、S氏を採用したタイイースタージェットのパク・ソクホ代表は「李相稷理事長(元議員)が直接(S氏の)履歴書をタイまで持ってきて採用を指示し、『月給は800万ウォン(約92万円)にしてくれ』と言った。S氏が大統領の婿だとは明かさなかった」と話している。タイイースタージェットは李元議員が実際に所有していたタイの格安航空会社でダヘ氏の家族に2億ウォン以上の便宜供与を行った疑惑が持たれている。
2018年6月から7月にかけ、文前大統領の元娘婿であるS氏のタイイースタージェット就職と娘のダヘ氏家族のタイ移住はあたかも「秘密作戦」のように進行されたとみられる。同年3月、中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命された李相稷元議員が直接乗り出し、3カ月で海外就職と移住などが一気に行われた。
S氏は同年3月、勤めていたゲーム会社を辞めた。4月には自分の名義になっていたソウル市鍾路区旧基洞の住宅をダヘ氏に贈与した。この物件は3カ月後に売却されたが、夫婦間で贈与が行われた理由は明らかになっていなかった。
翌月の同年5月、中小ベンチャー企業振興公団バンコクセンター長のA氏は本社の海外組織を管理する部署から電話とメッセージャーアプリで指示を受けた。「処長の知人がバンコクに行こうとしているが、そちらの不動産を調べてほしい」という内容だった。A氏は「当時本社担当者に『不動産仲介業者に処長の知人の連絡先を教えたい』と言ったが、本人もその人物が誰なのか、連絡先も知らずにおり、不動産の情報だけを伝えた」とし、「仲介業者のB氏が後日、『家を下見していった』と言っていただけで、直接バンコクで(ダヘ氏と)連絡を取ったり会ったりしたことはない」と話した。
その後、6~7月にS氏が先に出国し、続いてダヘ氏が旧基洞のビラを売却後、息子を連れてタイに出国した。
S氏の採用も密かに進められた。 タイイースタージェットのパク・ソクホ代表(当時)でさえ、S氏が誰なのか知らずに採用したと話している。パク代表は最近、本紙と会い、「2018年7月ごろ、李相稷元議員とバンコクで会うことにしたが、私が体調不良で会えなかった。事務室に出勤すると、李元議員がS氏の履歴書を置いていき、『就職させてほしい』と指示したと聞いた」と話した。その上で、「(李元議員から)ソ氏の月給を800万ウォンにしてもらいたいという指示も受けた」と語った。
パク代表は「最初は李元議員の娘の配偶者になる人物だと思っていた。李元議員に近い側近もS氏が誰なのか知らなかったはずだ」とし、「それほど密かに進められた」と証言した。その上で「S氏がすでにバンコクに入っているというので連絡して会ったが、誰の助けを受けたのか、既に家探しを終えており、とても豪華な自宅を確保していたので、少し安いところに移るように勧めた」とも語った。しかし検察はパク代表が当初からS氏の存在を知っていた可能性も排除していない。
パク代表はまた、「S氏に(航空関連の)経歴が一つもなくて戸惑った。大統領の娘婿であることも知らずに『天下り』だと言い、ひどくいじめた」とし、「航空の仕事を少し学ばせようと、夜に空港に送り、勤務させたりもした」と振り返った。S氏は実際、親会社であるイースター航空との業務協力など比較的単純な業務を担当したという。S氏は2020年初めまでタイにおり、韓国に一時戻ったが、コロナで航空路の運航が途絶えたため、業務が中断されたという。
パク代表は「2019年初めごろ、メディア報道などでS氏が大統領の娘婿だという事実が明らかになると、李元議員から連絡が来て、『パク代表が自分でうまくやれ』と言われた」と述べたほか、「S氏の妻は一度散歩するのを見ただけだ」と話した。S氏は2018年7月から2020年4月までタイイースタージェットから月給800万ウォンと約300万ウォンの家賃支援を受け取っていた。ダヘ氏の家族が韓国を一時帰国する際には、イースター航空便を無料で利用していたことも分かった。
検察は李元議員が中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命される過程で、青瓦台関係者が不当に介入したかどうかを集中的に調べている。最近も理事長の公募および任命当時、中小ベンチャー企業振興公団内の人事業務を担当していた室長と実務担当者ら3人を呼んで事情聴取した。同じ時期に青瓦台人事首席秘書官だった趙顕玉(チョ・ヒョンオク)氏については、被疑者として取り調べることにした。
パン・グクリョル記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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