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きょう「包括的・戦略的パートナーシップ協定」に署名

　ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）総書記は19日に平壌で首脳会談を行い、両国の安全保障と経済の協力関係は旧ソ連時代の水準に戻りそうだ。冷戦後、両国の合意文書から抜けた「有事の自動軍事介入」の条項が復活するとの見方もある。さらに北朝鮮がロシアに弾薬や放射砲（多連装ロケット砲）など在来兵器を提供する見返りに、ロシアは北朝鮮が必..

▲写真＝UTOIMAGE

きょう「包括的・戦略的パートナーシップ協定」に署名

　ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）総書記は19日に平壌で首脳会談を行い、両国の安全保障と経済の協力関係は旧ソ連時代の水準に戻りそうだ。冷戦後、両国の合意文書から抜けた「有事の自動軍事介入」の条項が復活するとの見方もある。さらに北朝鮮がロシアに弾薬や放射砲（多連装ロケット砲）など在来兵器を提供する見返りに、ロシアは北朝鮮が必要とする戦略兵器や技術支援に応じる可能性も高そうだ。

■朝ロ関係を「垂直格上げ」

　北朝鮮とロシアは今回の首脳会談で「包括的・戦略的パートナーシップ協定」に署名するという。ロシア大統領府はこの協定について「かつて両国が締結した合意に代わるだろう」と説明した。「包括的・戦略的パートナーシップ関係」とは通常の2国間関係では最高レベルの深い関係だ。順位は明記されていないが、韓国とロシアによる「戦略的・協力的パートナーシップ関係」よりも一層緊密と解釈できる。従来の善隣友好関係を垂直上昇させ、両国関係を画期的に改善することが狙いだ。

　旧ソ連時代の1961年に締結された「朝ソ友好協定および相互援助条約」の第1条には「どちらかが攻撃を受けた場合、相手方は直ちに軍事支援などあらゆる手段を使って支援する」と定めるいわゆる「自動軍事介入」の条項が含まれていた。しかしソ連崩壊後にロシアはこの条約を破棄し、現在は2000年に締結した「朝ロ親善条約」が両国関係の基本的な法的文書とされている。この条約には「自動軍事介入」の条項はないが、「どちらかが侵略される危機となった際には直ちに交渉を行う」（第2条）と共に「韓半島の平和統一」（第4条）の原則も明記されている。

　今回新たに締結される協定には、相互防衛条約に準ずる「自動軍事介入」の条項が再び入るかに最大の注目が集まっている。ロシアが相互防衛条約を締結している国は事実上アルメニアだけだ。ただその一方で「ロシアが戦略的協力同伴者関係を締結した場合でも、それが直ちに国際社会におけるいわゆる『軍事同盟』にはならない」とのメッセージを送るとの見方もある。韓国統一研究院の趙漢凡（チョ・ハンボム）先任研究委員は「自動軍事介入条項が再び明記されれば、北朝鮮は直ちにウクライナ戦争に軍を派遣せねばならず、また金正恩総書記が韓国や米国と戦争した場合、ロシアも直ちに軍を送らねばならなくなる」とした上で「それは不可能なので、今回は『包括的・戦略的パートナーシップ協定』の締結になるだろう」と予想した。

■対北朝鮮制裁無視も今や露骨に

　北朝鮮とロシアは1950－60年代に「血盟」とも言えるほど関係が深かった。その後金正日（キム・ジョンイル）総書記の時代に入ると、北朝鮮による核開発・ミサイル開発に対する国連制裁にロシアが賛成票を投じるケースが増え、それに伴い両国関係も冷え込んだ。それが再び関係改善に向かったのは2014年の国連総会で北朝鮮がロシアによるクリミア半島併合を支持した時からだ。その後19年のベトナムでの米朝首脳会談決裂、さらに22年のロシアによるウクライナ侵攻は朝ロ関係緊密化を後押しする決定的な契機となった。さらにロシアは最近、国連安保理の対北朝鮮制裁パネルの期間延長に反対するなど、国際社会における対北朝鮮制裁の仕組みをあからさまに無力化させた。

　北朝鮮の全住民が目にする労働新聞の18日付1面にはプーチン大統領の寄稿文が掲載されている。その中でプーチン大統領は金日成（キム・イルソン）・金正日時代に旧ソ連が北朝鮮を支援した歴史に言及した上で、「西側から統制を受けない貿易・決済システムの発展」と「一方的な非合法的制限措置に対する共同の反対」の立場を明確にした。国際社会による対北朝鮮制裁に関係なく、北朝鮮とは必要な協力を進める考えを明確にしたと言える。

　プーチン大統領が言及した「決済システム」とは「ルーブルによる決済システム」を意味する。現在国際社会によるロシアへの金融制裁により、ロシアのルーブル貨は世界の金融取引システムから排除されている。韓国統一研究院の玄承洙（ヒョン・スンス）研究委員は「ロシアは北朝鮮を含む旧ソ連時代の社会主義陣営にあった国々を団結させ、かつての社会主義諸国の経済協力体であるコメコン（COMECON、相互経済援助会議）時代のロシアの影響力確保を目標にしている」と指摘した。

■1泊2日の短い日程には公演の観覧も

　プーチン大統領が北朝鮮に滞在する時間はトータルで24時間にもならないため、ロシアは「非常に忙しいスケジュールが進められる」と説明した。19日の首脳会談後にはプーチン大統領と金正恩総書記の二人による散策やティータイムなども予定されているという。朝ロ間の「最も重要かつ微妙な問題」はその時に話し合われる可能性が高い。比較的長時間の非公式会談では必要に応じて双方のスタッフも同席しそうだ。ロシア側のスタッフには国防、宇宙、エネルギーなど各分野の政策トップもいることから、軍事協力はもちろん、人工衛星の打ち上げなど宇宙関係の技術協力も話し合われるだろう。

　プーチン大統領と金正恩総書記はスポーツ競技場で開催される公演も共に観覧する。中国の習近平・国家主席が訪朝した際にも北朝鮮は平壌の綾羅島5・1競技場で集団マスゲームと芸術公演を行った。今回は金日成広場で大規模公演などが開催されるようだ。またプーチン大統領は6・25戦争で戦死した旧ソ連軍兵士を追悼する解放塔で献花も行う予定だ。プーチン大統領は2000年7月に初めて北朝鮮を訪問した際にも解放塔を訪れている。

朝鮮日報／朝鮮日報日本語版

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