▲イラスト=パク・サンフン
韓国流通大手GSリテールが展開するコンビニ「GS25」の輸出入マーチャンダイザー(MD、商品企画担当者)チームは、月1回のペースで海外出張に出掛ける。わずか数年前までは海外出張先の90%が日本だった。「コンビニ王国」日本でどんな商品を販売しているのかを調べ、ベンチマーキングしさえすれば、韓国国内で通用したためだ。しかし、最近雰囲気が変わった。今年に入って、日本出張はたった1回で、下半期は日本に出..
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▲イラスト=パク・サンフン
韓国流通大手GSリテールが展開するコンビニ「GS25」の輸出入マーチャンダイザー(MD、商品企画担当者)チームは、月1回のペースで海外出張に出掛ける。わずか数年前までは海外出張先の90%が日本だった。「コンビニ王国」日本でどんな商品を販売しているのかを調べ、ベンチマーキングしさえすれば、韓国国内で通用したためだ。しかし、最近雰囲気が変わった。今年に入って、日本出張はたった1回で、下半期は日本に出張する予定はない。
「Kコンビニ」(韓国系コンビニ)が日本のコンビニを超えたという評価が聞かれる。韓国のコンビニ業界が日本をベンチマーキングせずに生き残る方法を見つけたわけだ。コンビニの店舗数が減少する日本とは異なり、韓国でコンビニは店舗数、売上高が共に右肩上がりだ。むしろ日本のコンビニが韓国企業をベンチマーキングするケースも出ている。Kコンビニが積極的に海外市場攻略に乗り出し、日系コンビニが掌握した東南アジア市場では「コンビニ韓日戦」が繰り広げられている。
■日本は足踏み、Kコンビニは成長中
コンビニ発祥の地は米国だ。だが、日本が1974年にコンビニを導入した後、「日本化」に成功。デパートの売上高を上回るなど小売業の歴史を書き換えた。日本のセブン-イレブンは1991年、経営難に陥った米セブン-イレブン運営企業を買収した。
韓国では日本より15年遅れの1989年、ソウル市松坡区にコンビニ1号店となるセブン-イレブンがオープンした。24時間営業、おにぎり販売、現金自動預払機(ATM)設置など日本のコンビニの成功要素をそのまま導入したものだった。その後、後発走者である韓国のコンビニ企業は、日本のコンビニをベンチマーキングしようと忙しかった。
だが、最近韓国のコンビニ業者は異口同音に「とにかく日本を真似すれば成功した時代は終わった」と語る。一体何が起きているのだろうか。
日本フランチャイズチェーン協会によると、日本国内のコンビニは2022年6月に5万5887店舗を記録した後、直近の今年4月(5万5647店舗)まで毎月減少が続いている、一方、韓国のコンビニ数は2018年の3万8451店舗から昨年の5万5580店へと着実に増えている。GS25関係者は「最近コンビニのマーチャンダイザーは日本に出張せず、国内の津々浦々でおいしい店を探し、ユーチューブやインスタグラムを見ながら、最新の流行に沿い、消費者が望む新商品を早く開発することが仕事の中心だ」と話した。
■年間1000の新商品を投入する韓国
韓国のコンビニが日本企業を超えた秘訣として、新商品と販売イベントを次々と繰り出す「企画力」が挙げられる。韓国のコンビニは金地金、自動車、マッサージチェアなどコンビニとそぐわないユニークな商品を販売したり、さまざまな企業と提携した「コラボ商品」を発売したりしている。GS25関係者は「新製品は年間で1000点を超える。1日当たり3つ以上の計算だ。それが可能なのは韓国特有の瞬発力があるためだ」と話した。
ここ数年を見ると、韓国のコンビニは革新速度という面で日本のメーカーを凌駕している。世界最高のITインフラを生かし、配達サービスやモバイルアプリサービスなどをいち早く導入した。日本はそれに追随した。日本のコンビニは依然として店内で飲食できないところが多いが、韓国のコンビニをベンチマーキングしたカフェ型コンビニが登場している。
CU関係者は「日本のコンビニは供給者中心で『店舗にどれだけ多様で豊富な商品を準備したか』に重点を置いている。韓国は雑貨を売る町内の商店に取って代わる過程で日本よりさらに狭い空間に面白い製品を陳列する空間演出にも競争力がある」と話した。日本のコンビニは商品を購入したらすぐに店を出るのに対し、韓国のコンビニは長時間滞在し、飲食して休んでいける空間であることも違いだ。セブン-イレブン関係者は「コンビニにテーブルを置く戦略が顧客の滞留時間を延ばし、売り上げに寄与すると、日本のコンビニがそれを真似ている」と話した。フジテレビは最近、CUが昨年12月に出店したラーメン特化コンビニを取材した。
■アジアでコンビニ韓日戦
競争が激しい内需市場だけに目を向けているわけにはいかない韓国のコンビニは、海外進出にも積極的だ。GS25はベトナム、モンゴルに562店舗、CUはモンゴル、マレーシア、カザフスタンに543店舗をオープンした。後発のイーマート24はマレーシアに52店舗を展開しており、今月にはカンボジアに1号店を出店する計画だ。
早くから東南アジアに進出した日本のコンビニも、Kコンビニの進撃をただ見守っているだけではない。日本の国内市場が飽和状態に達し、海外進出に総力を挙げている。日本経済新聞が今年1月に報じたところによれば、セブン&アイホールディングスとローソンは両社合計で今後3年間で東南アジアとオセアニアでコンビニ1万店舗以上を追加出店する計画だ。業界関係者は「今後激しいコンビニ韓日戦が繰り広げられるだろう」と話した。
石南埈(ソク・ナムジュン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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