【写真】尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とバイデン米大統領、日本の岸田文雄首相は2023年8月18日、ワシントン近くの米大統領別荘であるキャンプデービッドでの韓米日首脳会議を控え、記念撮影を行っている/聯合ニュース
昨年3月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が韓日関係正常化の決断を下した際、ノーベル平和賞に挑戦してみてはどうかというコラムを書いたことがある。2000年代の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と小泉純一郎元首相がシャトル外交に失敗したことを反面教師とし、「不可逆な方式」で過去の歴史を解決すれば、ノーベル平和賞候補にも上がることもあり得ると提言した。過去に逆戻りする道を絶ち、未来志向的な線路を敷くこと..
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【写真】尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とバイデン米大統領、日本の岸田文雄首相は2023年8月18日、ワシントン近くの米大統領別荘であるキャンプデービッドでの韓米日首脳会議を控え、記念撮影を行っている/聯合ニュース
昨年3月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が韓日関係正常化の決断を下した際、ノーベル平和賞に挑戦してみてはどうかというコラムを書いたことがある。2000年代の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と小泉純一郎元首相がシャトル外交に失敗したことを反面教師とし、「不可逆な方式」で過去の歴史を解決すれば、ノーベル平和賞候補にも上がることもあり得ると提言した。過去に逆戻りする道を絶ち、未来志向的な線路を敷くことができれば、ノーベル賞も全くあり得ない話ではないという趣旨だった。
その後1年後の今年4月、キャンベル米国務副長官がハドソン研究所での対談で尹大統領と岸田首相をノーベル平和賞候補に「推薦」した。キャンベル国務副長官は昨年8月、初めて米大統領の別荘であるキャンプデービッドで韓日米3カ国首脳会談が開かれたことを指し、「韓日両首脳が非常に難しい歴史的問題を克服しようとする決断は驚くべきことだった」と述べた。その上で、「もし本当に誰かが国際舞台で大きな変化をもたらし、ノーベル平和賞の受賞資格があるかと尋ねるならば、両首脳が共同受賞すべきだ」と語った。
国務次官補(東アジア・太平洋担当)、国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官を歴任したキャンベル氏は、バイデン大統領が再選すれば、国務長官に就任するとの下馬評がある大物。外交安保シンクタンク「新米国安全保障センター(CNAS)」の設立を主導し、「アジアのツァーリ(皇帝)」と呼ばれるキャンベル氏の発言は、米国社会を動かすオピニオンリーダーグループの世論と見ることができる。米政界には尹大統領による正常化決断後、韓日両首脳が広島の韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れ献花したことが深く印象づけられた。
ノーベル平和賞は韓国と日本で国家指導者がそれぞれ1回受賞したことがある。 1974年、日本の佐藤栄作首相は「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則で受賞した。2000年、金大中(キム・デジュン)元大統領は韓国と東アジアの民主主義・人権、北朝鮮との平和と和解のために努力した点が認められた。
キャンベル氏の言及は、米国がどれほど韓日間の和解と協力を重視し、尹大統領を高く評価しているかを示す事例だ。安定的な韓日関係は、米国だけが望むものではない。国連をはじめ国際社会で自由民主主義の価値に基づいている英国、フランス、ドイツなどの主なプレーヤーはいずれも韓日関係の改善を歓迎し、尹大統領に握手を求める。両国が過去に逆戻りして反目し合って争うことを望む国は北朝鮮、中国、ロシアだけだ。
米中対立、ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮の好戦的姿勢が続く状況で、中途半端なバランス論を掲げ、顔色をうかがうことほど愚かなことはない。韓米同盟があるおかげでみだりな行動に走れないのだから、その韓米同盟を強化するために韓米日3カ国の協力体制を堅固に構築することが大韓民国が21世紀に生き残るための方程式だ。
キャンベル氏がノーベル賞に言及したことが示唆するように、今月10日に就任2周年を迎える尹大統領は、大韓民国の生命線のような韓米日3カ国の協力を進展させ、対外関係では良好な評価を国内外から受けた。もちろん日本からもっと未来志向的な協力を引き出し、中国、ロシア、北朝鮮が誤った判断をしないよう安定的に管理する方策をさらに補完すべきだ。
それに比べ、10日に就任2周年を迎える尹大統領の内政面の成績表は良くない。4月の韓国総選挙でレッドカードに近いイエローカードを突きつけられた。
外交と内政面の不調和が続けば、結局他国に対する外交力が制限されることになる。尹大統領がバイデン氏と岸田氏との友好的な関係を持つために見せたのと同様の誠意で国民に接するならば、内政面でも否定的な評価を挽回できるのではなかろうか。尹大統領が総選挙後相次ぐ国政批判を受け入れ、変化するならば、米国の公式な推薦によるノーベル賞受賞の可能性はさらに高まることだろう。
李河遠(イ・ハウォン)外交担当エディター
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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