▲3月16日、2024年シーズンのMLB公式開幕戦を前に、記者会見するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手=写真右=と元通訳の水原一平容疑者=同左=。
生涯の友だと思っていたのに、実は二つの顔を持つ詐欺師だった。米大リーグ(MLB)界のスーパースター、大谷翔平選手(29)=ロサンゼルス・ドジャース=の元通訳による違法送金事件に関して、捜査結果が発表された。米連邦検察は11日(現地時間)、元通訳・水原一平容疑者(39)が関与した違法賭博・送金事件の捜査内容について、「水原容疑者が過去2年間、大谷選手に内緒で、同選手の預金口座から約1600万ドル(..
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▲3月16日、2024年シーズンのMLB公式開幕戦を前に、記者会見するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手=写真右=と元通訳の水原一平容疑者=同左=。
生涯の友だと思っていたのに、実は二つの顔を持つ詐欺師だった。米大リーグ(MLB)界のスーパースター、大谷翔平選手(29)=ロサンゼルス・ドジャース=の元通訳による違法送金事件に関して、捜査結果が発表された。米連邦検察は11日(現地時間)、元通訳・水原一平容疑者(39)が関与した違法賭博・送金事件の捜査内容について、「水原容疑者が過去2年間、大谷選手に内緒で、同選手の預金口座から約1600万ドル(約24億5000万円)を横領し、違法ブックメーカー(賭博業者)に送金した」と発表した。これは、これまで伝えられていた450万ドルに比べて3倍以上の額だ。水原容疑者は大谷選手の口座情報のうち、連絡先を自分の電話番号とEメールに変え、大谷選手に連絡が届かないようにした。その後、水原容疑者は大谷選手に内緒で同選手の口座から自分の口座に送金した。違法賭博・送金が発覚した時、大谷選手は「違法賭博も送金の事実も全く知らなかった。水原氏が金を盗んだ」と主張していたが、この主張が事実であることが確認されたものだ。
米国の各メディアが報道した今回の捜査結果によると、水原容疑者は2018年、大谷選手が米アリゾナ州のある銀行で口座を開く際に手伝ったが、この時に大谷選手の個人情報を把握したという。その口座には大谷選手がロサンゼルス・エンジェルスから受け取った年俸が預金されていたが、それ以降、同口座から勝手に送金していたとのことだ。きっかけは2021年、ある違法ブックメーカーと知り合ったことだった。同年12月から今年初めまでに1万9000回の違法スポーツ賭博を行い、平均1回1万2800ドルを賭けていたことが分かった。賭博でもうけた額は1億4226万ドルだった一方で、失った額は1億8294万ドルで、これを埋めるために大谷選手の口座に手を付けた。
水原容疑者はさらに、大谷選手の口座から違法ブックメーカーに送金した後、銀行に電話をかけ、大谷選手の個人情報を告げて同選手のふりをし、送金を承認するよう言ったこともあるという。こうした通話内容は録音されており、捜査官がこれを証拠として確保した、と米連邦検察は説明した。また、今年に入ってからは大谷選手の口座の金でベースボールカード約1000枚を買うのに32万5000ドル使ったこともある。大谷選手は今回の捜査過程で携帯電話を提出し、「水原氏に口座を管理するよう許可したことはない」と述べた。捜査当局は「大谷選手が水原容疑者の違法賭博や送金を事前に知っていたという証拠は見つからなかった」と言った。
今回の捜査では、大谷選手の代理人や経理担当者の業務処理があまりにも緩かったことが明らかになった。代理人や経理担当者はしばしば、「大谷選手の年俸口座を点検しよう」と同選手側に提案したが、水原容疑者が「大谷選手のプライベートだ。大谷選手が望んでいない」と言って拒否すると、これをそのまま信じて追加措置を取らなかった。大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏は今回の捜査過程で、「大谷選手と一度も直接話したり、メールなどでやり取りしたりしたことはない。常に水原容疑者を通じてコミュニケーションしていた」と語った。現地の専門家らが「通訳だけではなく、代理人も解雇すべきだ」と助言したのもこのためだ。現地メディアは「大谷選手は野球以外ではあまりにも純真(naive)な人生を送ってきた」と指摘している。
水原容疑者は先月21日の米大リーグ開幕戦ソウル・シリーズ中にドジャースを解雇されて以降、行方が分からなかったが、韓国から直ちに米カリフォルニアに戻り、捜査を受けていたと報じられた。現在は弁護士を交えて連邦検察と司法取引の交渉を行っているという。「交渉次第では水原容疑者は懲役刑ではなく、罰金刑のみになる可能性もある」とみている日本のメディアもある。
ペ・ジュンヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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