▲16日、2024年シーズンのMLB公式開幕戦を前に、記者会見するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手=写真右=と通訳の水原一平氏=同左=。
説明があってもスッキリしない。通訳の違法賭博問題を巡り、記者会見を開いた米大リーグのスーパースター、大谷翔平選手=ロサンゼルス・ドジャース=の話だ。米現地では議論が続いている。大谷選手は最近のオープン戦3試合で無安打だった。動揺している様子だ。
<疑問1>水原氏はどのように口座にアクセスした?
スポーツ専門メディアのESPNによると、専属通訳だった水原一平氏は「(スポーツ)違法賭博で借金(450万..
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▲16日、2024年シーズンのMLB公式開幕戦を前に、記者会見するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手=写真右=と通訳の水原一平氏=同左=。
説明があってもスッキリしない。通訳の違法賭博問題を巡り、記者会見を開いた米大リーグのスーパースター、大谷翔平選手=ロサンゼルス・ドジャース=の話だ。米現地では議論が続いている。大谷選手は最近のオープン戦3試合で無安打だった。動揺している様子だ。
<疑問1>水原氏はどのように口座にアクセスした?
スポーツ専門メディアのESPNによると、専属通訳だった水原一平氏は「(スポーツ)違法賭博で借金(450万ドル=約6億8000万円)があり、大谷選手がこれを肩代わりした」と言ったが、その後「大谷選手は何も知らなかった」と前言を翻した。大谷選手側も「水原氏が大谷選手の口座からひそかに送金した(=盗んだ)。大谷選手はこのことを知らなかった」と主張した。
これに対して米メディアは、水原氏が通訳兼マネージャーとして大谷選手の個人情報などを詳細に知っていたとしても、数十万ドルにも達する金をひそかに送金するのはほぼ不可能だとみている。米国では1万ドル以上の高額を送金する際、金融機関や銀行で本人確認の手続きを経る。インターネットで高額の送金をすれば、虹彩や指紋など個人生体情報の認証を要求する場合もあるし、預金主の自筆サインが入った注文書を出さなければならないケースもある。資金の出どころと用途を立証する書類を要求することもある。水原氏が大谷選手に内緒でこのような手続きをすべて経ていたとは考えがたいということだ。水原氏は「大谷選手が自らコンピューターでアクセスし、口座から数カ月間にわたり8-9回送金した。送金用途は『Loan(ローン)』と記載した」と答えていた。
<疑問2>これだけ多額のお金が流出していたことを知らなかった?
自身の口座から数回にわたって数百万ドルがなくなっていたのに、これを後に水原氏が告白するまで、大谷選手が知らなかったということも釈然としない。数カ月間、自分の口座を全く見ていないというのは常識的ではないという指摘だ。ESPNは「ドジャースのオーナー、マーク・ウォルター氏ら球団首脳部は20日、『(大谷選手関連で)まもなく良くないニュースが出そうだ』『大谷選手は水原氏の借金を肩代わりしていた』と語った」と報道した。これに対して、大谷選手側が追加説明をしていないことにも疑惑が膨らんでいる。
<疑問3>大谷選手のスポークスマンや弁護士は知っていながら伝えていなかった?
ESPNをはじめとする米メディアは、この事態が外部に伝わる前に大谷選手側に対して何度も問い合わせをした。大谷選手側は「水原氏が通訳という役割を悪用して、これを伝えていなかった」と説明する。だが、ESPNは、大谷選手側のスポークスマンが当初、「水原氏が違法賭博をし、大谷選手がその借金を肩代わりした」「水原氏との電話インタビューまで手配してくれた」と報じた。いくら大谷選手が英語に堪能ではないとしても、彼らがこのような深刻な事案について、大谷選手と一度も相談しなかったというのは納得できない、という声が多い。
<疑問4>後で大谷選手と水原氏が口裏を合わせた?
米現地では、「大谷選手は『賭博の借金を肩代わりするのは特に問題ない』と考えて対応したものの、後になって法律上の検討を経て、『問題が大きくなるかもしれない』と考え、口裏を合わせたのではないか」という見方が少なくない。大谷選手側が水原氏を解雇した21日未明、ESPNが水原氏に「大谷選手に対して、記者たちの質問や今回の件に関することを伝えなかったことはあるか」と質問すると、水原氏は「決してそのようなことはない」と答えたと書いている。そして、水原氏は「これについては、これ以上話すなと言われている」とも言った。
<疑問5>大谷選手は今回の件で処罰される?
米国でスポーツ関連の違法賭博をして摘発されれば、1年間の選手資格停止や永久除名になる恐れがある。では、違法賭博の借金を肩代わりした場合は大丈夫なのだろうか。米国の専門家らは「賭博の借金であることを知らずに送金したとすれば大丈夫だが、知っていながら送金したとすれば違法賭博を援助・ほう助したとして処罰を受ける可能性がある」と言った。これに加えて、そのお金の用途に「ローン」と虚偽記載したという当初の報道が事実ならば、虚偽申告で懲役刑になる恐れもある。米移民法により文書改ざんや偽証で1年以上の刑を受ければ、ビザ・永住権取り消しまたは国外追放もあり得る。刑事処罰とは別の選手に対する懲戒処分はMLB事務局の所管だ。最近の大リーグはドメスティックバイオレンス(DV)や麻薬などの違法行為に対して厳しく懲戒処分をする傾向にある。「無罪ならともかく、一部の容疑でも事実であることが明らかになれば、大谷選手も一定期間の出場停止は避けられない」というのが専門家たちの意見だ。
ペ・ジュンヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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