▲左からユン・ヒスク進歩党代表、竜慧仁(ヨン・ヘイン)新進歩連合代表、朴洪根(パク・ホングン)共に民主党民主連合推進団長、チョ・ソンウ、朴錫運(パク・ソクウン)、チン・ヨンジョン連合政治市民会議共同運営委員長。/ニュース1
投票まで残り2カ月を切った4・10韓国総選挙の重要な分岐点は、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が「うそつき」という評価をまた一つ上乗せして衛星政党比例制(準連動性)を維持すると決めたことだ。李代表は、大統領選挙のときに掲げた「衛星政党防止」公約を破棄し、わずか1日で4回も頭を下げた。左派陣営でこの決定を事前に予想し、問題点を指摘した人物は、柳好貞(リュ・ホジョン..
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▲左からユン・ヒスク進歩党代表、竜慧仁(ヨン・ヘイン)新進歩連合代表、朴洪根(パク・ホングン)共に民主党民主連合推進団長、チョ・ソンウ、朴錫運(パク・ソクウン)、チン・ヨンジョン連合政治市民会議共同運営委員長。/ニュース1
投票まで残り2カ月を切った4・10韓国総選挙の重要な分岐点は、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が「うそつき」という評価をまた一つ上乗せして衛星政党比例制(準連動性)を維持すると決めたことだ。李代表は、大統領選挙のときに掲げた「衛星政党防止」公約を破棄し、わずか1日で4回も頭を下げた。左派陣営でこの決定を事前に予想し、問題点を指摘した人物は、柳好貞(リュ・ホジョン)元正義党議員だ。柳・元議員は今年1月、少数野党の正義党が緑色党と1回限りの選挙連合政党をつくるや「正義党が再び民主党第2中隊の道へと進んでいる」として離党した。柳・元議員は「正義党はやがて、曺国(チョ・グク)新党と改革連合新党、進歩党などと共に民主党主導の比例衛星政党に参加することになるだろう」とし「民主党の支援なしには生き残れない政党へと没落していくことに耐えられない」と語った。少し前には「正義党主流が民主党にべたべたしている」とも発言した。
柳・元議員の指摘の通り、正義党は2020年のときと違って民主党主導の衛星政党に参加する構えを見せており、民主党も今回はきちんと「第2中隊」を率いていく計画だ。先の総選挙で民主党は、衛星政党の導入が初めてだったこともあり、「民主党主導ではなく多数党が少数党に議席を譲歩するもの」と称して煙幕を張った。今回は違う。李在明代表は「民主改革勢力の長兄として主導的にその責任を履行する」と主張した。民主党の衛星政党推進団長も「総領に相当する民主党が重い責任を負って選挙連合を主導したい」と語った。「長兄論」を掲げはしたが、事実上、民主党が企画・総括・運営する植民地政党をつくって総選挙に臨みたいと言っているのだ。
それにもかかわらず、正義党を一時代表していたある議員は、李代表の決定について「本当に幸いに思う」と語った。基本所得党・開かれた民主党・社会民主党準備委などが参加する新進歩連合に至っては、はなから露骨に「歓迎する」とした。彼らは、李代表の衛星政党防止公約破棄は問題にもしない。正義党をはじめとする左派群小政党は、「反・尹錫悦(ユン・ソンニョル)連合」を名分に民主党の植民地政党に参加すれば、国会での議席を増やすのに有利-と思っている。ここには、目的のためにはいかなる手段を取っても問題ないというような世界観が反映されている。当選無効に相当する刑を控訴審で言い渡された正義党の議員が、議席を別の人物に承継させるため辞職し、議員ポストを分け合って食っていくために「比例代表2年循環制」を決めたのも、こうした価値観から出てきたものだ。これでも「進歩」と呼ばれることを望むのか。
衛星政党比例制は、2020年総選挙を前に民主党が、当時の自由韓国党(現在の『国民の力』)を排除して強行処理した選挙法が母体になっている。そのせいで4年前に「議員の貸し借り」「ブローカー政党」などでしばらく荒れたことを、韓国の有権者は忘れていない。中央選挙管理委の依頼で韓国政治学会が実施した世論調査でも、第21代総選挙の最大の問題点として比例・衛星政党の乱立(20%)が挙げられた。その次が非現実的な公約(17%)、中傷・ネガティブ宣伝(14%)だった。
有権者が指摘するように、総選挙が終われば姿を消す「ブローカー」政党に票を入れろというのは、国民の高まった意識にも合致せず、民主主義の原則にも符合しない。海辺に作られた砂の城のごとき1回限りの仮設政党は、いかなる名分をもってしても容認しがたい。
左派群小政党は、状況が苦しくとも原則を守って国民の票を得る道へと進むべきだったのに、正反対の方向へと進んでいる。国民の信頼を得られないまま植民地政党に加わって国会入りするとしたら、何の意味があるのか。先の総選挙で民主党がつくった「共に市民党」に参加した各党が、果たして韓国国民から高い評価を得たといえるか。
こういうとき、せめて少数政党のプライドと名分は守ろうと努力してきた魯会燦(ノ・フェチャン)元議員を思い出す人は多いだろう。魯・元議員であれば、名分なき第2中隊役にはきっぱり一線を画したのではないだろうか。
李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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