▲イラスト=パク・サンフン
フランスのサッカーは長い間、欧州の2流だった。地域予選も通過できないことがあった。1998年のサッカー・ワールドカップ(W杯)でフランス代表監督を務めたエメ・ジャケが「こうしなければ優勝できない」と言って出したフランス代表選手のリストは衝撃的だった。22人のうち12人が移民の子孫か二重国籍者で、その相当数はアフリカから来た黒人だった。フランスは移民に寛大だと言われるが、国民の80%は白人だ。直ち..
続き読む
▲イラスト=パク・サンフン
フランスのサッカーは長い間、欧州の2流だった。地域予選も通過できないことがあった。1998年のサッカー・ワールドカップ(W杯)でフランス代表監督を務めたエメ・ジャケが「こうしなければ優勝できない」と言って出したフランス代表選手のリストは衝撃的だった。22人のうち12人が移民の子孫か二重国籍者で、その相当数はアフリカから来た黒人だった。フランスは移民に寛大だと言われるが、国民の80%は白人だ。直ちに「フランス代表チームを白人中心に作り直せ」という要求が殺到した。だが、ジャケはこれを拒否し、その大会で初めて優勝カップをフランスにもたらした。「国家代表は同胞でなければならない」という長年信じられてきた考え方は崩れた。
2018年のロシアW杯時はさらに一歩踏み込んだ。フランス代表のうち14人が「エムバペ」「ウムティティ」「マンダンダ」などアフリカ出身者の名を持つ黒人だった。アルゼンチンと対戦した2022年カタールW杯の決勝戦時、フランス・チームはほとんどが黒人だった。フランスほどではないが、肌の色や人種が違う外国人を国家代表に起用するケースが広がっている。韓国も国籍法改正により、10年前に国籍取得した白人のアイスホッケー韓国代表が誕生し、「青い目の太極戦士」時代が開かれた。
ところが、美人を選抜して国際大会に送り出す美人コンテストだけはこうした流れから外れていた。実力を競い合って国家代表に選ばれるスポーツ選手とは違い、美人コンテストはほとんどが純粋に外見によって評価される。このため、血統が国家代表の重要な要素にならざるを得ない。韓国人とは人種が違う白人や黒人が「ミス・コリア」に選ばれることは想像し難い。多人種国家の米国でさえ、黒人のミス・アメリカは1980年代に入って初めて登場している。
昨年のミス・ジンバブエの優勝者は、両親が英国から移住してきた白人だった。「アフリカの国でなぜ国を代表する美女に白人を選ぶのか」という非難が巻き起こった。ジンバブエには白人の国民も多いが、大多数は黒人だ。優勝者は「私はジンバブエで生まれ育ったジンバブエ国民」と反論した。2021年のミス・アイルランド大会では反対に南アフリカ出身の黒人が優勝した。美人コンテストでも血統の重要性はますます薄れてきているようだ。
そうした変化が日本に上陸した。今月22日に「青い目のミス日本」が誕生した。優勝者は5歳の時に日本に移住したウクライナ人だ。東洋人の国で西洋人が国を代表する美人に選ばれたのだ。日本では「これはどういうことだ」と議論になっているという。しかし、優勝者は「これまで人種の壁があり、日本人として受け入れてもらえない部分もあったが、日本人として認められた」と話した。どちらの言い分も合っているように思う。白人のミス・コリアが誕生したら、韓国社会はどのような反応をするのか気になるところだ。
金泰勳(キム・テフン)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com