▲ベージュ色の毛皮のジャケットをまとって金正恩総書記と共にICBMの発射現場を見学するキム・ジュエ氏。18日撮影。/朝鮮中央通信・聯合ニュース
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘で後継者との説が流れるキム・ジュエ氏が18日、奇襲攻撃が可能な固体燃料式ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星18」の発射現場に毛皮のジャケットをまとって登場し、論議を呼んでいる。
厳しい食料難にあえぐ北朝鮮住民の実情を無視した振る舞いではないかとの指摘がでているのだ。また、核兵器不拡散条約(NPT)など国際法に違反して核と弾道ミサイルの開発を続ける北朝..
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▲ベージュ色の毛皮のジャケットをまとって金正恩総書記と共にICBMの発射現場を見学するキム・ジュエ氏。18日撮影。/朝鮮中央通信・聯合ニュース
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の娘で後継者との説が流れるキム・ジュエ氏が18日、奇襲攻撃が可能な固体燃料式ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星18」の発射現場に毛皮のジャケットをまとって登場し、論議を呼んでいる。
厳しい食料難にあえぐ北朝鮮住民の実情を無視した振る舞いではないかとの指摘がでているのだ。また、核兵器不拡散条約(NPT)など国際法に違反して核と弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮は、高級車やブランド服などぜいたく品の搬入が国連安保理決議によって禁止されている。
北朝鮮の朝鮮中央通信とテレビが19日に公開した写真を見ると、ジュエ氏はこの日、腰までの丈でベージュ色の毛皮のジャケットを身にまとい、金正恩総書記と共に「火星18」の試験発射の指揮所を訪問。ジュエ氏は今年3月、世界最大の「怪物ICBM」と呼ばれる「火星17」の試験発射の際に1900ドル(約27万4600円)相当のフランスの高級ブランド「クリスチャン・ディオール」のフード付きコートを着て登場し、注目を集めた。
金正恩総書記の「2世」として唯一メディアに登場しているジュエ氏は、着用している服のほとんどがバーバリーやディオールなど欧州の最高級ブランドだということが分かっている。
今回ジュエ氏が着用した毛皮のジャケットも欧州の高級ブランドだとすれば、最低でも数千ドルから数万ドルに達すると推定される。
ジュエ氏は現時点で金正恩総書記の後継者との説が流れている。趙太庸(チョ・テヨン)韓国国家安保室長は今月3日、ジュエ氏について「(これからは)後継者だと見なして検証すべきだと思う」と述べた。今年10歳になるジュエ氏が昨年初めて登場した際、韓国政府内部では「後継者説」について、可能性が極めて低いとみていた。しかし最近になって北朝鮮がジュエ氏の存在を強調して本格的な偶像化を図っていることから、趙室長の発言は韓国政府の判断が変わったことを意味していると捉えられている。
北朝鮮の「航空節」に当たる先月30日に、ジュエ氏を大きく目立たせた写真が北朝鮮メディアに掲載されたことも、こうした分析を裏付けた。趙室長は「金正恩総書記とキム・ジュエ氏の二人だけを撮影したものだが、ジュエ氏が真ん中で金正恩総書記が後ろにいる写真も労働新聞に掲載された」と述べた。
その上で「少ししっくりこないし、もう少し確認すべき点があるため、百パーセント確信はできないだろう。しかし、つい先日まで『キム・ジュエは果たして後継者なのか』と考えていたとすれば、今は『キム・ジュエは後継者のようだが、それは確かか』と確認する段階だ」と説明した。
趙室長が言及した写真を見ると、ジュエ氏は金正恩総書記と同じようにサングラスに革のコートという姿で金正恩総書記の前に立っている。ジュエ氏はこれまで何十回も北朝鮮メディアで写真が公開されているが、常に金正恩総書記の隣か後ろに位置していた。
ところが今回はジュエ氏が主人公のように目立っていたのだ。北朝鮮の体制の特性上、金正恩総書記が後方に下がっている写真が公開されるのは極めて異例のことだ。
この日の報道写真には、金正恩総書記の妻の李雪主(リ・ソルジュ)氏や妹の金与正(イム・ヨジョン)氏の姿はなかった。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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