【TV朝鮮】 (アンカー)
激安の商品を売りにした中国のEC(電子商取引)サイトが、シェアを伸ばしています。オンラインショッピングの文化が既に根付いている韓国では、いっそうそのスピードが速いのですが、国内の流通業界に及ぼす影響は侮れないとみられます。産業部のチ・ソンホ記者がこの問題を探ります。
チ記者、中国のECサイトはどのくらい安いのでしょうか?
(記者)
韓国のオンラインプラットフォーム1位の..
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【TV朝鮮】 (アンカー)
激安の商品を売りにした中国のEC(電子商取引)サイトが、シェアを伸ばしています。オンラインショッピングの文化が既に根付いている韓国では、いっそうそのスピードが速いのですが、国内の流通業界に及ぼす影響は侮れないとみられます。産業部のチ・ソンホ記者がこの問題を探ります。
チ記者、中国のECサイトはどのくらい安いのでしょうか?
(記者)
韓国のオンラインプラットフォーム1位の事業者と中国のネット通販アプリでそれぞれ「男性用ジーンズ」の価格を検索してみました。韓国ではクーポン割引を適用して4万ウォン(約4430円)のジーンズが、1万7000ウォン(約1880円)ほどで売られているのが確認できました。一方、別の中国の通販アプリでは数千ウォン(約数百円)で、さらに別の所ではクーポン割引がなくても価格が1万ウォン台後半です。
(アンカー)
消費者にとっては、同じ商品をはるかに安く買えるのですから良さそうですね。私も心が引かれます。
(記者)
そうなんです。ところが、問題のある商品をめぐって論争も起きています。中国の通販アプリに書かれたレビュー(商品の感想)です。SDカードを購入した人は、データが消滅したとか、パッケージの色が全く異なっているケースがあったようです。北朝鮮の宣伝物をプリントしたTシャツや、ナイフ、レーザーポインターなど違法な製品も販売されていますが、こうした製品を購入した場合、押収されてお金だけが無駄になる可能性もあります。
(アンカー)
このような偽物商品や違法な製品は、韓国に搬入される際に見つけ出す方法はないのでしょうか?
(記者)
税関はX線検査を強化していますが、海外からの直接購入の規模が急激に拡大しているため、限界があります。税関職員1人当たりの平均通関件数は2018年には19万9000件でしたが、今年は32万2000件に増えました。コピー商品の摘発も2018年の約1万件から昨年は6倍に増えています。
(アンカー)
ところで、韓国国内のECサイトも安くて配送が速いので、そこで間に合っている人も多いと思うんですが、中国の通販アプリのほうも頻繁に利用するのでしょうか?
(記者)
中国のアプリのうち最もユーザーの多いアリエクスプレス(AliExpress)は、10月現在でユーザー数が3位に入るほど急速に利用者が増えています。韓国の大企業SKの系列会社、11番街(11st)は、リストラを始めました。
(アンカー)
大手企業も打撃を受けているのなら、韓国の小規模業者はますます厳しくなりそうですね。
(記者)
はい、オンラインプラットフォームに入店する小規模の販売者たちです。例えば、服や靴など一部の工業製品は韓国では生産単価が高いため、中国や東南アジアで製造してから韓国に搬入して販売するケースが多いのですが、今では中国の販売者たちが直接、韓国の消費者に売っているため、売り上げの面で大打撃を受けています。条件も不利で、海外からの直接購入なら150ドル(約2万2000円)以下であれば免税になりますが、韓国国内の販売者は関税や各種通関費用を負担しなければなりません。
(Aさん/靴の製造・販売)
「価格で競争できないんです。原価で売っていて個人に1対1でそのまま売ってしまうから、中国から輸入している方々とは競争にならないでしょう? とても無理なんです」
また、中国の通販アプリは韓国の事業者を入店させていません。
(アンカー)
中国の通販アプリ運営各社もこのような逆差別問題やコピー商品の問題を認識していると思うのですが?
(記者)
アリエクスプレスの場合、コピー商品の判別を強化し、発覚した場合には営業停止措置を取るとしています。コピー商品と疑われる場合、証拠書類がなくても全額返金するそうです。
(レイ・チャン/アリエクスプレス韓国代表)
「韓国市場で約3年かけて100億ウォンを投資し、知的財産権を保護する予定です」
また、試験運営中の韓国事業者の入店については、今後増やしていくと明らかにしました。それでも、こうした対策は事後措置に近い上、多数の製品を全て識別するのは不可能との指摘も出ています。
(アンカー)
安く買えるチャンスが増えるのは消費者にとってはうれしいですが、製品が届かないとか、コピー商品だったとか、こうした被害が懸念されるのも事実です。韓国政府も積極的なガイドラインを制定するなど、断固たる対応が必要だと感じます。チ記者、ありがとうございました。
(2023年12月10日放送 TV朝鮮「ニュース7」より)
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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