中国産尿素の輸入が滞って「第2の尿素水大乱」の懸念が高まる中、中国肥料業界は需要の最も多い来年第1四半期(1~3月)まで尿素の輸出を中断することとした。また、中国の主要各社は、来年の輸出規模も平年の5分の1の水準に抑えることで合意した。車両用・産業用尿素の90%以上を中国に依存してきた韓国産業界への衝撃が予想される。
2年前のような大混乱が再び発生する可能性は高くないが、既に一部地域のガソリンス..
続き読む
中国産尿素の輸入が滞って「第2の尿素水大乱」の懸念が高まる中、中国肥料業界は需要の最も多い来年第1四半期(1~3月)まで尿素の輸出を中断することとした。また、中国の主要各社は、来年の輸出規模も平年の5分の1の水準に抑えることで合意した。車両用・産業用尿素の90%以上を中国に依存してきた韓国産業界への衝撃が予想される。
2年前のような大混乱が再び発生する可能性は高くないが、既に一部地域のガソリンスタンドや売り場では買いだめの兆しが現れている。一部のオンラインサイトでは幾つかの尿素水製品が一時品切れになり、問題発生前の先月末より価格も2-3倍に跳ね上がった。株式市場では尿素水関連企業の株価が一時急騰することもあった。
主要輸出国である中国の尿素が市場から消え、価格が急騰する可能性も持ち上がった。韓国政府は緊急対応班を立ち上げ、対策の整備に乗り出した。代替物量について東南アジア、中東などと協議も開始した。
中国化学肥料業界のオンライン・プラットフォーム「中国化学肥料網」に5日に載った内容によると、中国の主要肥料関連各社は来年第1四半期まで尿素の輸出を全面制限し、来年第2四半期から第4四半期の輸出物量も94万4000トンに縮小すると自主合意した。業界アナリストは今月1日「中農集団(CNAMPGC)や中化集団(SINOCHEM)など、主な尿素備蓄・貿易関連企業15社は11月24日に会議を開き、来年第1四半期まで輸出を許諾しないこととした」と伝えた。ある業界関係者は「企業間の自主合意という形を取ってはいるが、事実上、中国政府の指示だとみている」と語った。
韓国は、今年に入って10月までの車両用・産業用尿素の輸入量のうち91.8%、肥料用の22.5%を中国に依存している。その中国産尿素の輸入が来年第1四半期まで止まり、その後も大幅に減るとみられることから、韓国国内での需給のずれが予想される。
尿素はディーゼル車の排煙を減らすために入れる尿素水の主な原料で、発電所や大工場などでも大量に使う。車両用・産業用尿素に硫酸コーティングを施した肥料用尿素もまた、農業に欠かせない。尿素の供給が途切れると、運輸から製造業、農業に至るまで、韓国国内産業全体が止まってしまうのだ。
中国は世界の主な尿素生産国の一つで、毎年400万トンから500万トンを輸出してきた。国際エネルギー機関(IEA)によると、2020年に中国は尿素5600万トンを生産し、このうち5100万トンを国内で消費して、500万トンを輸出した。19年の輸出量も470万トン水準で、今年1月から10月までは339万トンという数字が出ている。
だが、主要15社が来年第1四半期までの輸出中止を経て第2-第4四半期に輸出すると表明した物量は94万4000トンで、年ベースで見ると平年の5分の1という水準だ。車両用・産業用と肥料用を合わせて昨年は37万トン、今年は10月までに33万5000トンを輸入している韓国としては、単純計算で30万トン以上をよそで確保しなければならないことになる。
李悳煥(イ・ドクファン)西江大学名誉教授は「韓国は『尿素の生産は経済性がない』として放棄したが、米国、日本などは依然として独自生産を続けている」とし「安全保障の観点から、尿素生産の再開も真剣に考慮すべき」と語った。
チョ・ジェヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com