▲生まれたばかりの新生児が泣いている様子。写真=news 1
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)のコラムニスト、ロス・ドゥザット氏は2日(現地時間)、「韓国は消滅するのか」という見出しのコラムを掲載した。同氏は「韓国が現在の出生率のままなら、黒死病(Black Death=ペスト)に襲われた中世ヨーロッパ期よりさらに大幅な人口減少を経験することになるだろう。韓国は先進国が抱えている人口減少問題を代表する研究対象だ」と述べた。韓国の少子化問題を世界史上最悪の..
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▲生まれたばかりの新生児が泣いている様子。写真=news 1
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)のコラムニスト、ロス・ドゥザット氏は2日(現地時間)、「韓国は消滅するのか」という見出しのコラムを掲載した。同氏は「韓国が現在の出生率のままなら、黒死病(Black Death=ペスト)に襲われた中世ヨーロッパ期よりさらに大幅な人口減少を経験することになるだろう。韓国は先進国が抱えている人口減少問題を代表する研究対象だ」と述べた。韓国の少子化問題を世界史上最悪の感染症とされる「中世に流行したペスト」に例えたものだ。
韓国統計庁が先月発表した「9月の人口動向」によると、7-9月期の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数)は0.7人で、過去最低を記録した。昨年の韓国の合計特殊出生率は0.78人で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最下位圏だ。韓国の1960年から2021年までの合計特殊出生率の減少率は86.4%で、217カ国・地域の中で最も深刻だった。
ドゥザット氏は「このような水準(合計特殊出生率0.7人)が続く国は、ある世代の200人の人口(100組の夫婦)が次の世代には70人に減るということだ。これは14世紀の黒死病が欧州にもたらした人口減少よりさらに急速なものだ」と書いた。学界では、当時のペストでは、最も多く見積もって欧州の人口の半分が死亡したと推定している。同氏は「(出生率0.7人なら)2世代過ぎると200人だった人口が25人以下に減る。(ホラー作家)スティーブン・キングの小説『ザ・スタンド』に出てくる仮想の『スーパー・インフルエンザ』による人口減少と同じくらいだ」と評した。
専門家らは「超少子化」の衝撃がまもなく韓国社会全般を襲うと懸念している。事実、来年の小学校新入生(2017年生まれ)は韓国史上初めて40万人を下回るものと推算されている。統計庁によると、2016年に40万6243人だった出生児数は、2017年に35万7771人となり、5万人近く減少した。小学校新入生は2004年は約65万人だったが、この20年間で40%以上も減ることになる。今年、新入生が1人もいなかった小学校は全国で145校に上る。これは前年の114校に比べ27%の増加だ。来年の幼稚園新入生も史上初めて20万人台に下がる見通しだ。
ソウル大学のウン・ギス教授は2日、「人口が急減すれば、健康保険で高齢者層の治療費を充当することができず、年金改革をしても限界が生じざるを得ない。超少子化は人口問題ではなく、国の消滅がかかっている安保問題だ」と言った。その上で、「『人口安保部』を作り、副首相級が少子化問題を担わなければ、10年以内に『災害級の事態』が起こるだろう」と語った。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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