▲仁川国際空港から航空機が離陸している様子。/写真=仁川国際空港公社
韓国の玄関口・仁川国際空港に到着した国際線航空機から、4機に1機の割合で病原性大腸菌やビブリオ菌、サルモネラ菌など食中毒を誘発する菌が検出されていたことが明らかになった。新型コロナのパンデミックで中断していた航空機の衛生点検を3年ぶりに再開したところ、こうした結果が出てきた。海外旅行客が急増している状況の中、徹底した防疫措置が取られるべきだという指摘が出ている。
疾病管理庁(疾病庁)が今年7月3..
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▲仁川国際空港から航空機が離陸している様子。/写真=仁川国際空港公社
韓国の玄関口・仁川国際空港に到着した国際線航空機から、4機に1機の割合で病原性大腸菌やビブリオ菌、サルモネラ菌など食中毒を誘発する菌が検出されていたことが明らかになった。新型コロナのパンデミックで中断していた航空機の衛生点検を3年ぶりに再開したところ、こうした結果が出てきた。海外旅行客が急増している状況の中、徹底した防疫措置が取られるべきだという指摘が出ている。
疾病管理庁(疾病庁)が今年7月31日から11月14日まで、国内主要国際空港5カ所に到着した国際線航空機493便を対象にコレラおよび腸内細菌10種の検査を行った結果、58便(11.8%)で病原菌が検出されたという。同庁が27日に発表した。病原菌の検出率は、韓国の航空会社の航空機が9.9%(294便中29便)、外国の航空会社が14.6%(199便中29便)だった。
今回の検査は、航空機が空港に到着して乗客が降りた直後、疾病庁の検疫官らが機内の化粧室の手洗いや便器から検体を採取するという方式で行われた。検査の結果、腸管毒素原性大腸菌(39件)、腸管病原性大腸菌(32件)、腸炎ビブリオ・サルモネラ菌(各4件)、赤痢菌(2件)、腸管出血性大腸菌(1件)、合わせて82件の病原菌検出例があった。
これらの病原菌は、患者の大便を通して排出され、菌に汚染された食べ物や水を摂取すると感染する。感染後1週間から4週間にわたって頭痛や悪寒、発熱、腹痛、便秘あるいは下痢などの症状が現れる。免疫力が弱い子どもや高齢者、妊産婦の場合、腹膜炎など重い合併症に至ることもあり得るので、格別な注意が必要だ。疾病庁の関係者は「トイレに行った後は、流水とせっけんを利用して30秒以上手を洗うべき」と勧告した。
空港別では、仁川国際空港に到着した航空機からの病原菌検出率が最も高く、222便中49便(22.1%)から病原菌が出てきた。大邱・金海空港ではそれぞれ3.7%、3.3%だった。済州・務安空港では航空機から病原菌は検出されなかった。仁川空港については、病原性大腸菌の検査項目を1種から4種に増やして検査を行ったので検出率が高くなった-という分析もあるが、1%を下回っていたコロナ以前の検出率を考慮すると、管理が甘くなっているとの指摘がある。
疾病庁は、新型コロナ問題で航空機の運航便が最大95%も激減したことを受け、2020年から今年7月30日まで、航空機への搭乗検疫を一時的に中断していた。その後、段階的な日常の回復に伴って航空便が増加してきたため、7月31日から航空機内検疫を再開した。今回の検査は、韓国の航空会社の航空機と、食中毒のリスク国(フィリピン・インド・エチオピアなど)から到着した航空機を対象に実施された。
疾病庁は、病原菌が検出された航空機を運航している航空会社に検査結果を通知し、航空機の消毒を求めた。同庁関係者は「来年からは対象の航空便と対象国を増やし、化粧室の手洗いおよび便器だけでなく、乗客の座席シートや通路の床、座席上の棚などにも調査対象を拡大する計画」と語った。一方、疾病庁は、米国や英国などで「航空機内でトコジラミにかまれた」という訴えが相次ぎ、トコジラミ流入に対する国民的懸念が高まっていることから、航空機や船舶、貨物を対象としてトコジラミの検査を実施する予定だ。
キム・テジュ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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