▲9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のバス停に到着した10人乗り(乗客基準)の自動運転バス。料金は1200ウォンでスマートフォンのアプリでコールし、搭乗できる。/ナム・ガンホ記者
9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のデジタル・メディア・シティー駅前にある「ソウル自動運転車」の停留所を訪れた。近くを回っている有料の自動運転タクシーとバスの計6台(7台のうち1台は点検中)の位置が、モニターにリアルタイムに表示された。呼び出しアプリである「タブ(TAP)」を開いて乗降位置を入力し、10人乗りのソラティバスを選択すると、スマートフォンの画面に「搭乗予定時刻」と座席番号(2D)が記さ..
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▲9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のバス停に到着した10人乗り(乗客基準)の自動運転バス。料金は1200ウォンでスマートフォンのアプリでコールし、搭乗できる。/ナム・ガンホ記者
9月29日、ソウル市麻浦区上岩洞のデジタル・メディア・シティー駅前にある「ソウル自動運転車」の停留所を訪れた。近くを回っている有料の自動運転タクシーとバスの計6台(7台のうち1台は点検中)の位置が、モニターにリアルタイムに表示された。呼び出しアプリである「タブ(TAP)」を開いて乗降位置を入力し、10人乗りのソラティバスを選択すると、スマートフォンの画面に「搭乗予定時刻」と座席番号(2D)が記された搭乗券が表示された。10分後、ソウル大学自動運転研究所の研究陣が設立した業者(SUM)が運営するバスが目の前に現れた。今はまだ決められた区間だけを運行しているが、距離と関係なくタクシーは2000ウォン(約206円)、バスは1200ウォン(約123円)の運賃が請求される。
バス内部の大型モニターには周辺の状況とともに信号機の色情報、次の信号までの待機時間が秒単位で表示される。自動運転車が悪天候でも安定して走行できるよう、ソウル市が交通情報を0.1秒単位で提供しているためだ。安全担当として助手席に搭乗したSUM自動運転運営チームでチーム長を務めるパク・サンウク氏は「基本的には呼び出されてから動くため、乗客の需要に応じて運営している」という。
海外からのニュースと実験室の中だけの話と思われてきた自動運転タクシー・バスが、われわれの周囲に近づきつつある。ソウル市の場合、一般市民がお金を支払って自動運転の交通手段が利用できるのは上岩だけだったが、今では急速に広がっている。9月26日、ソウル市清渓川で自動運転スタートアップ(新興企業)の「42dot」が特殊製作した未来型デザインの自動運転バスが試験運行を開始した。年内には青瓦台(旧大統領府)近くでも、2台の自動運転バスが青瓦台への訪問客を無料で運ぶ予定だ。ソウル市は来年中に弘益大学-興仁之門(東大門)区間を走る深夜の自動運転バスも導入する計画だ。京畿道でも9月29日、板橋で現代自動車製の自動運転バスが試験運行を始めた。
■「実験室」の外に出た自動運転車
ソウル市や京畿道だけでなく、地方にも自動運転のモデル地域は拡大している。国土交通部(日本の省庁に相当)は6月、従来7カ所だった全国の「自動運転車の試験運行地区」を計14カ所にまで大幅に増やした。当初はソウル市麻浦区上岩洞、世宗市、済州市などに限られていたが、ソウル市江南区、清渓川、京畿道始興市、江原道江陵市、原州市、全羅北道群山市、全羅南道順天市を追加することになった。これらの地域は、民間企業が自由に一般市民を対象に有償運送が許可された特例地区だ。
自動運転車業界では「道路上に自動運転車が増えているということは、技術水準と市民の受容性がそれだけ高まりを見せているという意味」と話す。グローバル・コンサルティング企業KPMGの報告書(2020年)によると、韓国の自動運転車導入準備指数は世界第7位だ。自動運転関連企業の企業数は多くないばかりか、累積運行距離も米国や中国に大きく後れを取っているものの、1年で6ランクアップするなど、世界で最も速い成長を成し遂げた。韓国国内のある自動運転企業の関係者は「韓国は5G(第5世代)の通信網が全国に敷かれている上、半導体と完成車でグローバル次元の企業が良い成績を収めており、自動運転車の拡大に有利な条件を兼ね備えている」とし「今は多くの経験、データを蓄積することが重要だ」と述べた。
■利用率は低い方、「直接乗ってみることで受容性アップ」
自動運転車は急速に増えているものの、市民の利用はまだそれほど多くないようだ。10月3日、ソウル市によると、2月10日から8月31日までに上岩地区で自動運転車をコールした件数は計1574件、搭乗客は2128人だった。1日平均で約10人という計算だ。人が運転するタクシーやバスに比べて運転が不慣れで速度も遅いため、今は「好奇心」による搭乗がほとんどだ。自動運転車は、従来の運輸業者が収益性を理由に運営されていない路線を走っているほか、障害者用の自動運転タクシーを導入するなど、市場の死角地帯を埋める役割を果たしている。
ソウル市のチェ・ジョンソン自動運転チーム長は「これまで自動運転車は実験室の中だけの存在だったが、今は技術開発段階を経て市民が実際に体験する『サービス』段階に突入している」とし「今は地方自治体のサービスを通じて運営しているが、今後は民間事業者が有料運行を通じてお金を稼げる事業性を備えていくことが課題」と説明する。自動運転スタートアップの「42dot」のキム・ジョンウ理事も「ソウル、板橋、済州のどこへ行っても自動運転車に乗れる時代になれば、行く行くは乗客とドライバーが、さらには社会全般の自動運転車に対する受容性が高まりを見せるだろう」と述べた。
パク・スンチャン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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