文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に起きた亡命北朝鮮漁師の強制送還事件に関連し、当時現場に派遣された韓国政府の検疫官らが追加証言を行った。政府は当時、問題の漁師が同じ船の乗組員を殺害し、乗ってきた船に血痕もあったと説明した。また、証拠隠滅のために船舶に塗装の形跡もあったとしていた。しかし、現場に派遣された検疫官らは、2時間以上にわたって行われた船舶消毒の過程で、そうした痕跡を全く発見できなかったと..
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文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に起きた亡命北朝鮮漁師の強制送還事件に関連し、当時現場に派遣された韓国政府の検疫官らが追加証言を行った。政府は当時、問題の漁師が同じ船の乗組員を殺害し、乗ってきた船に血痕もあったと説明した。また、証拠隠滅のために船舶に塗装の形跡もあったとしていた。しかし、現場に派遣された検疫官らは、2時間以上にわたって行われた船舶消毒の過程で、そうした痕跡を全く発見できなかったと証言した。
国民の力の安炳吉(アン・ビョンギル)議員が13日までに農林畜産検疫本部から提出を受け、公表した資料によると、亡命漁船が東海で拿捕された2019年11月2日、農林畜産検疫本部は国家情報院の要請を受け、午後1時45分から午後2時半までの45分間、脱北漁師2人を消毒した。その後、午後7時15分から午後10時まで、漁船の検疫と消毒を行った。場所は江原道東海市の海軍第1艦隊に停泊した亡命漁船だった。
政府の主張によると、漁船は16人の集団殺人が起きた「犯行現場」だったが、その漁船に対する消毒を求めたことになる。
当時派遣された検疫官は5人(動物検疫官3人・植物検疫官2人)だった。うち動物検疫官1人は7月、血痕を見なかったという趣旨の証言を行っている。
安炳吉議員事務所が検疫官5人のうち、現在も在職している3人(動物検疫官1人・植物検疫官2人)の検疫官と行った対面および書面による質疑によると、検疫官はこれまで公になっているように、漁船で血痕を目撃していなかったほか、塗装を上塗りした痕跡も見られなかったとした。
そのほか、スマートフォンとノートパソコンも現場検疫当時には見つからず、検疫官は漁船が殺害現場だった可能性があるという情報を事前に共有されない状態で消毒薬品をまいた。
文在寅政権は亡命漁民の強制送還以降、該当漁船から中国・レノボ製のノートパソコン、北朝鮮製スマートフォン(モデル名・平壌2418)、米ガーミン製の全地球測位システム(GPS)装置、容量8ギガバイトのSDカードなどを発見したと発表した。
それは検疫官が漁船拿捕当日、北朝鮮漁船に到着する以前に何者かによってスマートフォン、ノートパソコンが持ち出されたか、あるいは最初からなかった可能性を示唆する。仮に検疫・消毒措置より先に電子機器が搬出されていたとすれば、文在寅政権が徹底した防疫のため、速やかに漁船を消毒したという主張とは矛盾する対応だ。
ある検疫官は「感染症予防のためには、外部から流入した物品を全て消毒した後に搬出するのが通常だ。他の物品は全て漁船の中に置いたまま、電子機器だけを先に消毒せずに搬出するのは異例のことだ」と証言した。
当時拿捕された北朝鮮漁師の状態について、検疫官らは「漁師2人は現場で眼帯がかけられており、縛られていたかどうかは覚えていない」と答えた。
安炳吉議員は「今回新たに明らかになった事実は、当時文在寅政権が脱北漁師をどれほど無理に送還しようとしたのかを明確に確認できるものだ。今回確保できた検疫官の証言が現在進められている検察の捜査にも反映され、速やかに
キム・ミョンイル記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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