▲8月24日、ソウルのあるコーディング塾で幼児クラスの生徒2人が「ブロック式コーディング授業」を受けている。
韓国政府が8月22日、「デジタル人材を養成する」とし、2025年から小・中・高校の「コーディング」(コンピューター言語)教育を必須とし、デジタル人材育成のための授業時間を2倍に増やすと発表したことと関連、「コーディング先行学習」ブームが起きるのではないかと懸念する声が上がっている。すでに学校外教育市場でコーディング塾は政府の措置を歓迎し、保護者からの問い合わせが後を絶たないという。
8月24日午..
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▲8月24日、ソウルのあるコーディング塾で幼児クラスの生徒2人が「ブロック式コーディング授業」を受けている。
韓国政府が8月22日、「デジタル人材を養成する」とし、2025年から小・中・高校の「コーディング」(コンピューター言語)教育を必須とし、デジタル人材育成のための授業時間を2倍に増やすと発表したことと関連、「コーディング先行学習」ブームが起きるのではないかと懸念する声が上がっている。すでに学校外教育市場でコーディング塾は政府の措置を歓迎し、保護者からの問い合わせが後を絶たないという。
8月24日午後、ソウルのあるコーディング塾を訪れた。6歳の幼稚園児2人がブロック式コーディングについて学んでいた。ノートパソコンにインストールされてあるコーディングプログラムで、ブロックにさまざまな色の照明が順番通りに点滅するようプログラムする内容だ。ある保護者は「ブロックを通じてコーディングを簡単に習わせるのが最近のはやり」と伝えた。ここ数年間で第4次産業革命やIT開発者の求人難などが報じられ、小学生はもちろん、未就学児童たちをコーディング塾に通わせる保護者が少なくない。地域によっても差はあるが、未就学児童を基準にした場合、授業料は週4回で15万-25万ウォン(約1万5400-2万5700円)前後となっている。必要な教材や機材などによって月50万-60万ウォン(約5万1300-6万1600円)に上ることもある。
政府の発表以降、若い父兄たちの間では、小学校の入学前からコーディング塾に通わせることで、先行学習に対する負担が増すのではないかと懸念する声が上がっている。「コーディングが何なのかも分からないまま熟に通い、子どもが授業に付いていけずにストレスを感じるようになるのではないかと心配」というのだ。1997年に小学校での英語教育が正規課程となって以降、英語の早期教育が強調されながら始まった英語幼稚園ブームが、今では「ヨンコ(乳幼児コーディング)」ブームにつながりかねないと指摘する声もある。
ソウルのあるIT会社の開発者として勤務するチェさん(33)は「8歳、4歳の2人の娘がいるが、小・中・高校で必須科目になれば、コーディングが確実に内申に盛り込まれるだろう」とし「コーディングの早期教育を施した方が後々有利」とする考えを示した。ただでさえ学校外教育費の負担は大きいが、コーディング塾の費用が追加でかさむようになったと懸念する人も多い。ソウル市竜山区二村洞で7歳と5歳の2人の子どもを育てるチョンさん(45)も、やはり「いくらデジタル時代とはいえ、全員がコーディングをしなければならないというわけでもないのに、必須と言って押し付けるのは不満。今でさえ、学校で英語や数学をきちんと教えることができていないではないか」と疑問を投げ掛けた。
一方で、全国各地の塾街は「第2のコーディングブーム」の到来を大歓迎する雰囲気だ。2018年にも小・中・高校でのソフトウエア(SW)教育が義務付けられ、IT企業が人気を集めたことで、コーディングの学校外教育市場が一時好況を迎えたことがあったが、今回も似たような雰囲気だというのだ。ソウル市松坡区のあるコーディング塾の関係者は「2月の開校以来、現在未就学児童と小・中学生が計80人登録し、授業を受けている」とし「政府の発表以降、登録の問い合わせが普段より1日に4-5件ほど増している」と話す。慶尚南道晋州市のコーディング塾で塾長を務めるミンさん(41)も「通常は保護者からの問い合わせが週に1-2件程度だが、22日の発表以来、4日間で10件の問い合わせがあった」という。
塾の経営者の間では、政府の期待とは裏腹に、コーディングを必須科目として教えることができる教師を確保するのが困難なため、コーディング教育は容易でないとする見方が少なくない。こうした余波で、学校外教育市場に特需が訪れるという具体的な見通しまで上がっている。京畿道南楊州市のコーディング塾で塾長を務めるシンさん(57)は「実際に今でもコーディングをきちんと教えられるだけの人材は皆無」とし「公教育でコーディング授業が必須科目となっても、この問題が短期間で解決されるとは思えない」と眉間にしわを寄せる。
専門家たちは、コーディング教育によって生徒たちがデジタルになじむことができる方向へと進まなければならず、具体的な計画を早急に発表し、保護者たちの不安を静めなければならない、と警鐘を鳴らす。高麗大学コンピューター学科のキム・ヒョンチョル教授は「コーディングの学校外教育市場を『無視』すれば、先行学習が横行する恐れがあるため、今後は政府が小・中学生へのコーディング教育と関連し、ガイドラインを細かく設定することが重要」と提案する。成均館大学コンピューター教育科のアン・ソンジン教授は「学校でデジタル教育のための時間を十分に確保することが今後の課題となる。そうしてこそ、生徒たちが塾に通わず、学校で学ぶだけでも、コーディングに対する十分な知識が得られるようになるだろう」と説明した。
キム・スンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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