▲混雑する新大久保-9月2日午後、東京最大のコリア・タウン新大久保の通りは、行き交う人で混雑していた。/写真=チェ・ウォングク特派員
8月26日午後、原宿。「東京の旅が始まる街」と呼ばれていたこの場所で、10代や20代の姿はなかなか見かけなかった。山手線原宿駅の竹下口を出ておよそ350メートル歩く間、通りの両側に並んだ店舗の中に、売り場を閉鎖した所があるのが目についた。まず通りの入り口にあるアパレルショップ2店舗のシャッターが降りていて、さらに50メートルほど歩いていくと、並んで立っている3階建てのビル2棟が全て空になっていた..
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▲混雑する新大久保-9月2日午後、東京最大のコリア・タウン新大久保の通りは、行き交う人で混雑していた。/写真=チェ・ウォングク特派員
8月26日午後、原宿。「東京の旅が始まる街」と呼ばれていたこの場所で、10代や20代の姿はなかなか見かけなかった。山手線原宿駅の竹下口を出ておよそ350メートル歩く間、通りの両側に並んだ店舗の中に、売り場を閉鎖した所があるのが目についた。まず通りの入り口にあるアパレルショップ2店舗のシャッターが降りていて、さらに50メートルほど歩いていくと、並んで立っている3階建てのビル2棟が全て空になっていた。がらんとなった店舗の窓ガラスには「テナント募集」「短期の賃貸も相談可」などの案内文が張られていた。向かい側にあった古着・記念品の店もまた、3店舗全て営業していなかった。街全体で、空き店舗はおよそ20カ所に上った。ここにあったスターバックスさえも、今年5月24日に閉店していた。
少し後、ここから電車に乗って、さらに3駅先の新大久保で降りた。ここは完全に別天地だった。東京最大のコリア・タウン、新大久保は、駅からあふれ出る人波が続き、歩道から押し出されて車道を歩く人も多かった。街をぎっしり埋める人々は、ワッフルやタッカンジョン(鶏の唐揚げ)、ホットク(ホットドッグ)やクァベギ(ねじり揚げドーナツ)など、ストリートフードを持って記念撮影をするのに忙しかった。韓国コスメの店は、制服姿の日本の女子高生で立すいの余地もないほどで、「韓国コーデ」「韓国ファッション」などと書かれたアパレルショップには日本人だけでなく西洋人や黒人など外国人客も大勢いた。新大久保一帯で、横町の奥まで入ってみても、空き店舗は見当たらなかった。新大久保の不動産関係者は「店の空きが1つ出ると、すぐに10件以上も問い合わせの電話が来る」と語った。
Kポップや韓国ドラマなど日本列島を強打した韓流が、東京最大の繁華街2カ所の明暗を克明に分けている。「ファッションと若者の街」「カワイイと言う単語を世界に広めた場所」など、日本の若者から愛されてきた原宿は衰退し、コリア・タウンだった新大久保は流行の中心地として急浮上した。毎日新聞は「最近、Kポップなどの影響で若者の足が原宿から新大久保に移った」と伝えた。
原宿は1970年代後半から、流行に敏感な日本の若者が集まる街だった。過去50年近く、ここは日本の若者とファッションの象徴にして、心臓部だった。原宿に集まる日本の若者たちは、華麗な装いと独特のメークが特徴だった。90年代前半には、日本の芸能人自ら原宿にオープンした店舗の数がおよそ50カ所に達していた。以後、原宿は若者の街と呼ばれ、東京はもちろん日本全国の流行を先導した。日本の高校生の代表的な修学旅行地で、東京にやって来た観光客が訪れる必須の旅行地だった。ところが2020年のコロナ・パンデミックで観光客が減り、高い賃料に耐えられなかった小さなテナントが店を閉じ始めた。こうした状況で韓流が日本社会を席巻し、決定打を与えた。ファッション専門誌「WWD」によると、若者のためのカジュアルな店舗が多いほど空きが深刻で、明治通りは7.2%、竹下通りは14.2%、表参道近くのキャットストリート北側は26.1%まで空き店舗が増えた。
逆に、2019年末から『愛の不時着』『イカゲーム』『梨泰院クラス』などの韓国ドラマや、Kポップの歌手が日本で大きな人気を集めるようになり、若者が新大久保に集まり始めた。かつては主に在日韓国人や一部の日本人が訪れる場所だったが、今では東京最大の繁華街の一つに浮上した。こうした変化は、わずか2-3年の間に発生した。2018年にガールズトレンド研究所が女子高生を対象に実施したアンケート調査では、「好きな街、行ってみたい街」として原宿が41.7%を占めて圧倒的1位になり、新大久保は7%に過ぎなかった。ところが2020年末にマーケティングメディアのSORENAが実施した調査では、渋谷(16.8%)に次いで新大久保(16.2%)が2位に上がった。原宿は3位に後退した。SORENAは「新大久保が、数十年にわたり女子高生から絶対的な人気を集めてきた原宿を上回った」とし「食べ歩き、コスメ、ファッションなどが日本の若者のSNS(交流サイト)関連の感性とうまく合った」と分析した。
新宿韓国商人連合会の調査によると、今年7月現在、新大久保地域の韓国店舗は634カ所。2017年当時の396カ所から、わずか5年でおよそ60%増えた。同連合会側は「コロナ問題にもかかわらず、むしろ店舗数が増えていて、繁華街が拡大した」とし「新大久保で人気を確認した後、日本全国へ直接進出する店舗も増えている」と説明した。また「東洋経済」誌は「新大久保が新たな文化発信地になっている」とし「若い女性だけでなく幅広い世代から人気を集めている」と報じた。
東京=チェ・ウォングク特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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