-歴史問題をはじめ2国間の対立は厳存している。
「対立なき2国間関係は夢の中などでならあり得る。対立は管理の対象であって、除去の対象ではない。糖尿の患者が、ひとたび発症した糖尿を完全になくすことはできず、血糖値を調整するように、韓日両国は対立を適切に調整していかなければならない。東アジアを代表する先進国として、民主主義と自由市場経済という価値を共有する両国が、一段階高い次元から対話と妥協で問題を解..
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-歴史問題をはじめ2国間の対立は厳存している。
「対立なき2国間関係は夢の中などでならあり得る。対立は管理の対象であって、除去の対象ではない。糖尿の患者が、ひとたび発症した糖尿を完全になくすことはできず、血糖値を調整するように、韓日両国は対立を適切に調整していかなければならない。東アジアを代表する先進国として、民主主義と自由市場経済という価値を共有する両国が、一段階高い次元から対話と妥協で問題を解決していくことで、国際社会を共にリードしていかなければならない」
イ教授は「『韓国は宗教家、日本は法律家のように、それぞれ行動する』という言葉がある。韓国も日本に対し、徹底して実用・実利的にアプローチすべき」とした。
■「『チップ4』同盟加入など、あらゆる『てこ』を使うべき」
-中国の台頭に立ち向かおうと思ったら、韓日は手を組むべきではないか?
「米国が半導体の供給網構築のため韓国・日本・台湾に提案した、いわゆる『チップ4』半導体同盟への加入は、そういう観点から、悩む必要すらない事項だ。一部では、韓国が『チップ4』に加入した場合の中国の報復を懸念している。しかし韓国が『チップ4』に加入しても、中国は無条件に韓国と仲たがいはできない。『先進国韓国』を失うことがどれほど大きな損失か、中国もよく分かっている」
イ教授は「最近の国際関係を見ると、冷静な余り、かえって残忍」だとしてこのように語った。
「米国は、一部の優待国リストからは盟邦たる日本を排除している。堂々とクアッド(QUAD)に加入したインドは、米国はもちろん中国、ロシアとも良い関係を維持し、国益を極大化している。台湾は、今すぐにでも戦争の相手になる中国に対し毎年輸出の新記録を立てていて、断交した日本とは半導体3国同盟を稼働させるという『八方美人外交』を繰り広げている。インドネシア、ベトナムも同様だ」
イ教授は「韓国の立場から、国際社会において『てこ』にできるものは全て使うべきだ。『チップ4』同盟もその中の一つ。韓国が中国や日本と1対1で相対するという固定観念から抜け出し、全地球的な観点の戦略外交をすべき」と語った。
■「日本に勝とうと思ったら学問研究の自由が切に必要」
-両国の学界にそろって身を置いているが、韓国の日本研究の風土についてはどうか?
「数年前に李栄薫(イ・ヨンフン)ソウル大学経済学部名誉教授が書いた『反日種族主義』や、朴裕河(パク・ユハ)世宗大学名誉教授が書いた『帝国の慰安婦』といった、いわゆる問題作は、読者の評価を受けもしないうちに社会的に死刑宣告を下された。学術的な論争が必要な領域において、刺激的かつ揮発性の強いイシュー(問題点)でイメージが消尽してしまっているようで残念に思う。漠然とした反日感情が、学問研究においてまで聖域と禁忌を確固たるものにしている。日本に対し、論理的に戦って勝つためにも、学問研究の自由と多様性が保障されなければならない」
-韓国の日本研究は今後、どうあるべきか?
「先進国は、国家戦略樹立の観点から世界を隅々まで研究する。だから、北米や欧州に有名な日本研究所、中国研究所、中東研究所が密集している。これまで韓国の日本研究は語学教育と文学が中心だった。今こそ、徹底して日本の政治、経済、社会など各論分析へと変わらなければならない。日本という素晴らしい教科書は学ばずに、教科書を読むのに必要な言語学習にエネルギーを全て費やすのでは困る。世界の日本学研究の相当数は英語でなされているという事実は、いろいろなことを示唆している」
宋義達(ソン・ウィダル)エディター
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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