▲韓相赫(ハン・サンヒョク)放送通信委員長
韓国の370の公共機関(付設機関を含む)のうち、トップの任期が1年以上残っている機関が256(69%)に上ることが8日までに分かった。任期が満了したか、6カ月未満の機関は53だった。新政権が年末までに任命できる公共機関トップは全体の14.3%にすぎない計算になる。今回の集計は公共機関経営情報公開システム「アルリオ」に登録された公共機関トップの任期を分析した結果だ。
問題はそうした公共機関トップの..
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▲韓相赫(ハン・サンヒョク)放送通信委員長
韓国の370の公共機関(付設機関を含む)のうち、トップの任期が1年以上残っている機関が256(69%)に上ることが8日までに分かった。任期が満了したか、6カ月未満の機関は53だった。新政権が年末までに任命できる公共機関トップは全体の14.3%にすぎない計算になる。今回の集計は公共機関経営情報公開システム「アルリオ」に登録された公共機関トップの任期を分析した結果だ。
問題はそうした公共機関トップのうち相当数が尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の国政哲学とは対極にあるという点だ。2021年8月に任期が始まった洪鉉翼(ホン・ヒョンイク)国立外交院長は任命当時、「韓米訓練を必ずやる必要はない」「在韓米軍は過度に配置されており、約1万人程度撤収しても、韓国は受け入れを表明すべきだ」などといった発言で論議を呼んだ経緯がある。韓米協力を重視する新政権の方向と食い違うというのが与党の認識だ。
韓相赫(ハン・サンヒョク)放送通信委員長は人事聴聞会で「政治偏向性」が争点に浮上した。韓委員長が2018年に民主言論市民連合(民言連)の共同代表に就任して以降、民言連が文在寅(ムン・ジェイン)政権の脱原発を批判する記事などを「悪い報道」に選び、親政権・左派系メディアを「良い報道」に選んだ。そうした指摘について、韓委員長は「人によって判断が異なることがあり得る内容だが、民言連の活動を偏向的だと見る余地はある」と話した。
共に民主党議員出身の全賢姫(チョン・ヒョンヒ)国民権益委員長も公正性を巡る論議を呼んだ。全委員長が就任後、国民権益委は秋美愛(チュ・ミエ)元法務部長官の息子の兵役優遇疑惑に関連し、「職務との関連性はない」と判断した。同委はまた、李容九(イ・ヨング)元法務部次官が「月城原発1号機経済性操作事件」の弁護を引き受けた後、法務部幹部となった点、朴範界(パク・ポムゲ)元法務部長官が暴行事件の被告の身分で長官としての職務を遂行した点について、問題ないという趣旨の結論を下した。
いずれも全委員長在任中の決定で、当時国民の力は「国民権益委ではなく政権権益委だ」と激しく反発した。尹錫悦政権の国政哲学に反する現職の国立外交院長、放送通信委員長、国民権益委員長の任期は2023年までだ。
国策シンクタンクのトップも事情は同様だ。代表的なのは、昨年5月に任期が始まった韓国開発研究院(KDI)の洪長杓(ホン・ジャンピョ)院長。文在寅政権の初代青瓦台経済首席秘書官を務め、政策企画委員会の所得主導成長特別委員長を歴任した。尹大統領は大統領選の遊説で「所得主導成長」を強く批判したが、それを主導した洪院長の任期は2年ほど残っている。官庁街で現政権と主な公共機関のトップによる衝突を懸念する声が上がらざるを得ない状況だ。
大統領室は、新政権発足前後にトップの任期が満了する公共機関のリストを把握したという。しかし、政府・与党が直接的な影響力を行使することは事実上不可能だ。昨年、環境部の金恩京(キム・ウンギョン)元長官が傘下機関の関係者に辞表の一括提出を強要した「ブラックリスト」事件で実刑判決を受けた後、公共機関トップの任期に介入できないムードが形成されたためだ。
中央官庁に勤務する公務員は「過去には政権が変われば公共機関トップが自ら辞任する文化があったが、ブラックリスト事件以降は自主的な辞任を論じること自体がタブー視されている」と話した。現政権になって、国民年金公団の金容振(キム・ヨンジン)理事長、KDB産業銀行の李東杰(イ・ドンゴル)会長などが辞意を表明したが、それ以外の公共機関トップは「居座り」ムードが感じられる。
政界では「硬直した機関トップの任期規定が問題だ」とする指摘が聞かれる。現行法(公共機関の運営に関する法律)が「公共機関長の任期は3年とする」と定めており、構造的に任期5年の大統領と「ミスマッチ」が生じざるを得ない。このため、与党の一部からは「機関長の任期を『3年』に固定するのではなく、『3年以内』に修正すべきだ」とする案も示されている。
新政権はまず、機関トップが任命されていないところから人選を行い、他の公共機関については。厳正な経営実績評価などを実施する計画だ。企画財政部長官は経営実績評価で最下位等級となった機関トップの解任を答申することができる。これに先立ち、監査院は大統領職引き継ぎ委員会に「成果が不十分な機関に対し、評価と監督を強化する」と報告している。
キム・ヒョンウォン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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