▲8月28日に大阪の綿業会館で会った山田文明・元大阪経済大学教授は「今回の裁判で北朝鮮の人権じゅうりんを再び世に知らせ、責任ある人々の反省を要求したい」と語った。/写真=チェ・ウンギョン特派員
今年10月14日、東京では北朝鮮の政権を相手取って5億円の損害賠償を要求する裁判が初めて開かれる。原告は1960-70年代に「北朝鮮は地上の楽園」という偽りの宣伝にだまされて北朝鮮へ渡り、その後脱出した5人の在日朝鮮人だ。いわゆる北送事業(北朝鮮帰国事業)の被害者らだ。北朝鮮の政権を日本の法廷に呼ぶまで30年近く、帰国事業被害者らを支援してきた日本人がいる。山田文明・元大阪経済大学教授(73)だ..
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▲8月28日に大阪の綿業会館で会った山田文明・元大阪経済大学教授は「今回の裁判で北朝鮮の人権じゅうりんを再び世に知らせ、責任ある人々の反省を要求したい」と語った。/写真=チェ・ウンギョン特派員
今年10月14日、東京では北朝鮮の政権を相手取って5億円の損害賠償を要求する裁判が初めて開かれる。原告は1960-70年代に「北朝鮮は地上の楽園」という偽りの宣伝にだまされて北朝鮮へ渡り、その後脱出した5人の在日朝鮮人だ。いわゆる北送事業(北朝鮮帰国事業)の被害者らだ。北朝鮮の政権を日本の法廷に呼ぶまで30年近く、帰国事業被害者らを支援してきた日本人がいる。山田文明・元大阪経済大学教授(73)だ。山田元教授は「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表を経て、現在は理事を務めている。8月28日に大阪で会った山田元教授は「帰国事業とは結局、北朝鮮政権がほしいままに行った誘拐犯罪だった、という事実を法廷でぜひとも認めてもらいたい」と語った。
1947年に滋賀県で生まれた山田元教授は、実は韓半島とは何の縁もない。それでも半生かけて帰国事業被害者を支援してきた理由を尋ねると、山田元教授は「一時は私も、北朝鮮にだまされていた純真な被害者だから」と答えた。社会主義にのめり込んでいた10-20代の学生時代、山田元教授は北朝鮮が新たな国家を建設できると信じた。だが北朝鮮が徐々に金日成(キム・イルソン)称賛一辺倒に流れ、アウンサン廟(びょう)爆弾テロ(ラングーン事件)や大韓航空858便爆破事件などを起こすのを見て、北朝鮮の現実を直視するようになった。同時に、北朝鮮へ渡った在日朝鮮人のことを思い浮かべた。「自分がもし在日朝鮮人だったら、私はすぐ北朝鮮へ行ったでしょう。あのころ北朝鮮へ行った在日朝鮮人は、若いころの自分のように北朝鮮にだまされた被害者だと思うので、放っておけないんです」
1994年に「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」へ加入し、北朝鮮に家族を送った人々の話を聞いた。豊かでない状況でも北の家族に日本製のセイコーの時計や小遣いを送ろうと苦労している人がほとんどだった。こうした人々を支援していると、99年には在日朝鮮人脱北者から「北朝鮮に残る家族の脱北を助けてほしい」という要請を受け始めた。自ら中国へ向かい、帰国事業被害者の子どもたちを日本へ脱出させる手伝いをした。しかし2003年、中国公安当局に捕まって上海の政治犯収容施設に2週間以上監禁されたこともあった。06年には北朝鮮自ら、山田元教授を「企画脱北犯罪者」として逮捕するとも発表した。山田元教授は「中国や北朝鮮の脅しが怖かったことはない」と述べつつも「その後、中国には行けなかった」と語った。その代わり、日本で脱北者の就職をあっせんし、生活の安定を支援した。妻が経営する個人病院でも、現在3人の脱北者を雇っている。
山田元教授は、北朝鮮政権を相手取った今回の裁判で中心的役割を果たした。1960年に北朝鮮へ渡った後、43年ぶりに日本へ戻ってきた在日朝鮮人の川崎栄子さん(79)から「法的責任を問いたい」という話を聞いた山田元教授は、同じような立場の被害脱北者4人を集めて原告団を結成した。かつて在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を相手取った訴訟が公訴時効満了により棄却された経験に基づき、今度は北朝鮮の政権に責任を問う戦略を立てた。北朝鮮政権が在日朝鮮人の日本帰国を禁じたことまで「誘拐犯罪」と認められれば、公訴時効もさらに伸びるからだ。
裁判の目的は、単純な損害賠償ではない。北朝鮮と日本の「責任」を認めてもらうことだ。「帰国事業の被害者にはいつも『本人が好きで行った』という自己責任論がつきまとうけれども、帰国事業を宣伝し、支援した全ての人には、少なくとも道義的な責任があります。今回の裁判で北朝鮮の人権じゅうりん行為をあらためて世に知らせ、責任ある人々の反省を要求したい」
東京=チェ・ウンギョン特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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