▲韓国南西部・全羅南道霊岩郡の現代三湖重工業で建造されている大型の液化天然ガス(LNG)コンテナ船(左)と超大型タンカー(VLCC)。韓国造船業は昨年末から大型受注に成功し、造船会社のドックは建造中の船舶であふれている。/霊岩=キム・ヨングン記者、21日
韓国南西部・全羅南道霊岩郡にある造船大手、現代三湖重工業を4月21日に訪れた。面積70万坪の工場にある3つのドックには超大型の液化天然ガス(LNG)コンテナ船、液化石油ガス(LPG)タンカー、ばら積み貨物船など8隻がびっしりと並び、建造作業が同時に進んでいた。通常はドック1カ所で2-3隻の建造作業を同時に進める。LNGコンテナ船の周辺には新たに建造される船舶に使われる鋼材をモジュール状に切断する..
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▲韓国南西部・全羅南道霊岩郡の現代三湖重工業で建造されている大型の液化天然ガス(LNG)コンテナ船(左)と超大型タンカー(VLCC)。韓国造船業は昨年末から大型受注に成功し、造船会社のドックは建造中の船舶であふれている。/霊岩=キム・ヨングン記者、21日
韓国南西部・全羅南道霊岩郡にある造船大手、現代三湖重工業を4月21日に訪れた。面積70万坪の工場にある3つのドックには超大型の液化天然ガス(LNG)コンテナ船、液化石油ガス(LPG)タンカー、ばら積み貨物船など8隻がびっしりと並び、建造作業が同時に進んでいた。通常はドック1カ所で2-3隻の建造作業を同時に進める。LNGコンテナ船の周辺には新たに建造される船舶に使われる鋼材をモジュール状に切断する作業が慌ただしく進められていた。1年前には造船業不況にコロナが重なり、3つのドックが全て稼働する日は珍しかった。最近は状況が一変した。昨年下半期から米中の景気が急速に回復し、世界的に船舶の発注が増えた。韓国の造船各社が相次いで契約を獲得し、ドックが空き次第、船が次々と入ってくる。現代重工業グループの造船系列会社である現代重工業(蔚山市)のドック7カ所、尾浦造船所(同市)のドック4カ所も満杯だ。現代三湖重工業の韓政東(ハン・ジョンドン)専務は「ドック全体がフル稼働するのは数年ぶりではないか」と話した。
造船所から約8キロメートル離れた大仏産業団地(霊岩郡)には、造船資材業者が300社余り集まっているが、3-4年閉鎖されていた工場が30カ所以上ある。閑散としていたこの産業団地にも変化が起き始めた。従業員を募集する企業が出始めたのだ。船室内部の設備を生産する業者は「2016年に全社員250人余りのうち半分を解雇したが、今回5年ぶりに新規採用を行う。昨年末から注文が少しずつ増え、期待される」と話した。大仏産業団地の2月のフルタイム雇用人数は前年同月に比べ1.4%増えた。
韓国造船業の現場が再び活気を帯びている。工場稼働率が上昇し、採用が増え、造船業に依存してきた地域経済にも復活の兆しが見え始めた。
■韓中日の「造船競争」、技術で勝負
ドックで建造中の燃料タンク室に入った。9%ニッケル鋼で建造したという体積1万2000立方メートルの超大型タンクが見えた。LNGは船舶用ディーゼル油に比べ汚染物質の排出が少ないため、LNGコンテナ船は環境規制を回避したい全世界の船主が争って発注している船舶だ。しかし、LNGをマイナス163度以下で保管しなければならないため、扱いが困難だ。現代三湖重工業のイ・スンファン常務(事業企画担当)は「ニッケルを含むLNGタンクを溶接する場合、一般的な溶接技術は使えない。この技術では韓国が圧倒的に強い」と説明した。
2010年前後の過去最大の好況を経験した韓国造船業は16年、受注の激減に直面した。原油安と不景気で船舶の発注が減少したことに加え、中国の造船会社による安値受注で直撃を受けた。反撃のきっかけは19年末、国際海事機関(IMO)が25年までに船舶の温室効果ガスの排出量を08年に比べ、少なくとも30%削減するという基準を示したことだった。船主が価格よりも技術力に注目し、再び韓国の造船会社に発注するようになったのだ。韓国造船業界関係者は「中国の造船会社が受注したLNGコンテナ船は頻繁に故障を起こす。韓国造船業の技術力が注目を浴びる契機になった」と話した。
■空いていた造船所ドックに船が来た
今年に入り、韓国の造船会社は世界の船舶受注の半分以上を獲得している。英造船・海運市況分析業者クラークソン・リサーチによれば、今年1-3月の全世界の新規船舶発注量は1024万CGT(標準貨物船換算トン数、323隻)だった。うち韓国の造船業界は52%に相当する532万CGT(126隻)を受注した。
現代重工業の中間持ち株会社、韓国海洋造船は1-3月に82隻、69億ドル相当を受注した。大宇造船海洋は同じ期間に22隻、20億ドル相当を受注。サムスン重工業も42隻、51億ドル相当を受注した。
造船業の好況で地域経済のムードも変わった。大仏産業団地でコンテナ船のハッチカバーを生産しているマリンテック社の作業場では従業員80人余りが作業を行っていた。キム・ヨンファン代表は「受注が徐々に増えており、年末までに20%程度増員し、生産設備も追加導入する計画だ」と話した。産業団地内の工場稼働率も少しずつ向上している。17年の大仏産業団地の稼働率は55.2%にとどまったが、昨年は69.1%だった。今年に入ってからは70%を超えた。現代三湖重工業の下請け企業の従業員も18年の6312人から今年3月には7116人に増えた。
ソン・ヘジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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