▲全国民主化運動同志会発足宣布式で激励の辞を述べる与党・共に民主党の薛勲(ソル・フン)議員
韓国与党・共に民主党の薛勲(ソル・フン)議員は30日、民主化運動有功者の配偶者や子供などに対し、教育や就職、医療、融資などの支援を行うことを定めた「民主有功者礼遇に関する法律」の制定を撤回したことを明らかにした。薛議員ら与党勢力の議員73人が今月26日に法案を提出してからわずか5日後のことだ。「86運動圏(1980年代の民主化運動に参加した60年代生まれ)へのお手盛り特恵」などの指摘がさまざまな..
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▲全国民主化運動同志会発足宣布式で激励の辞を述べる与党・共に民主党の薛勲(ソル・フン)議員
韓国与党・共に民主党の薛勲(ソル・フン)議員は30日、民主化運動有功者の配偶者や子供などに対し、教育や就職、医療、融資などの支援を行うことを定めた「民主有功者礼遇に関する法律」の制定を撤回したことを明らかにした。薛議員ら与党勢力の議員73人が今月26日に法案を提出してからわずか5日後のことだ。「86運動圏(1980年代の民主化運動に参加した60年代生まれ)へのお手盛り特恵」などの指摘がさまざまな方面から相次ぎ、民主党内からも「補欠選挙を前に無用な問題を起こさないでほしい」との指摘が出たことなどが影響したようだ。
薛議員はこの日「法案についてのさまざまな指摘を考慮し、国会議案課に法案撤回要求書を提出した」と明らかにした。この法律は支援の対象に民主化運動と関連する死者や負傷者だけでなく、有罪判決を受けた人物も含まれていることから「運動圏へのお手盛り特恵」との指摘が相次いでいた。これまで国家有功者として認定されてきた「4・19革命(李承晩〈イ・スンマン〉政権を倒した1960年の学生運動)」や「5・18民主化運動(1980年の光州事件)」の関係者以外にも、「6・10民主抗争(1987年、軍事政権に反対する民主化運動)」などに参加した1980年代の運動圏を支援の対象に含めたことで問題が拡大した。
この法案提出が一般に知られると、政界や市民団体などから「学生時代に何年か学生運動をしただけの経歴で国会議員になった人間たちが、自分の子供たちに有功者の特恵を世襲しようとしている」などの批判が相次いだ。とりわけかつて民主化運動に参加していた人たちからも「金と見返りを望んで民主化運動をしていたのか」「有功者の地位を辞退する」など抗議と法案の撤回を求める声が出ている。かつて民主党議員を務めた金栄煥(キム・ヨンファン)氏はこの日フェイスブックに「こんなことのために民主化運動をしてきたのか」「私と私の家族は特別法には絶対に同意できない」とした上で「民主化運動有功者の地位を今日から辞退する」との考えも示した。金氏は延世大学歯学部に在学していた1977年、維新憲法の撤回を求める民主化運動に参加したとして逮捕された。出所後も再び光州民主化運動によって指名手配され、本人と配偶者が共に逮捕されたことから夫婦で5・18有功者として認められた。1995年に故・金大中(キム・デジュン)大統領の勧めで政界に入るなど、人生のほとんどを民主党で過ごした金氏は「これ以上何を望むというのか。こんなことのために民主化運動をしたとすれば恥ずかしいことだ」と訴えた。
国民の党ソウル市党のキム・ユン委員長も「民主化運動を売り渡し、私利私欲ばかりを満たそうとする人間と一時は同志だったという事実があまりにも恥ずかしい」と述べ、薛議員とその法案を批判した。1981年にソウル大学西洋史学科に入学したキム委員長は1994年まで学生運動や労働運動に取り組んでいた。キム委員長は「一抹の良心と国を思う愛国心がわずかでも残っているならできないことだ」とも指摘した。保守系野党・国民の力から釜山市長選挙に出馬しているパク・ヒョンジュン候補は「私も民主化運動に携わっていたが、これこそ運動圏貴族階級の誕生であり、民主化という名で民主主義を汚す行為だ」と主張した。パク候補は1978年に高麗大学社会学科に入学し、学生運動中に右目に催涙弾が直撃したため今も視力はほぼ失われている。ソウル大学で学生運動に参加していた元喜竜(ウォン・ヒリョン)済州道知事は薛議員が提出した法案について「絶対反対」「表向きは民主有功者礼遇法だが、実際は民主化特権法だ。民主化の精神を踏みにじっている」と批判した。
民主党内からもこの法案に対する疑問の声が根強い。民主党のある関係者は「当初は100人以上の参加を目指したが、議員たちの反応が悪く70人ほどしか署名が集まらなかった」と伝えた。再選挙と補欠選挙に出馬している民主党候補者たちも「提出の時期が不適切だ」として再考を求めているという。民主党のある中堅議員は「LH(韓国土地住宅公社)事態のような悪材料が相次いだ影響で20代と30代が反文に回っている。このような状況ではこの法案は火に油を注ぐようなものだ」とコメントした。
キム・ウンジュン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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