韓国系中堅半導体メーカー、マグナチップは29日、中国系プライベート・エクイティー・ファンドの智路資本(ワイズロード・キャピタル)による株式公開買い付け(TOB)を受け入れることで合意したと発表した。マグナチップのキム・ヨンジュン最高経営責任者(CEO)は「今回の取引は株主と顧客、従業員全てに最善の利益をもたらすだけでなく、マグナチップの第3次成長戦略を加速する素晴らしい機会になるだろう。マグナチ..
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韓国系中堅半導体メーカー、マグナチップは29日、中国系プライベート・エクイティー・ファンドの智路資本(ワイズロード・キャピタル)による株式公開買い付け(TOB)を受け入れることで合意したと発表した。マグナチップのキム・ヨンジュン最高経営責任者(CEO)は「今回の取引は株主と顧客、従業員全てに最善の利益をもたらすだけでなく、マグナチップの第3次成長戦略を加速する素晴らしい機会になるだろう。マグナチップが次の段階へと成長する過程でワイズロードが協力してくれると期待している」と述べた。
マグナチップは事業売却後も既存事業を継続するほか、韓国国内の従業員や事業所にも変化はないと説明した。同社関係者は「売却以降もマグナチップの経営陣と従業員は現在の役割を続ける計画だ。ソウルと清州にある事務所と研究所、亀尾の生産施設なども同様に運営し、事業もそのまま行う予定だ」と話した。
■中国のOLED崛起加速、「政府は技術流出阻止に取り組め」
これまで中国の半導体・ディスプレー業界でマグナチップは有力買収候補として挙がっていた。サムスン電子やLG電子が掌握しているディスプレー市場で追撃するには重要半導体を設計・生産するメーカーを買収するのが最も効率的であり、外資系プライベート・エクイティー・ファンドが保有するマグナチップが最も買収に適しているためだ。
中国は半導体の崛起(くっき)を掲げ、数十兆ウォンを投資しているが、有機発光ダイオード(OLED)を含む半導体市場で明らかな成果は上げられずにいる。一方、マグナチップは3000件を超える技術特許を含め、2000種類以上の製品を生産し、350社以上と協力している。マグナチップを買収すれば、一気に技術力を高められる。
半導体業界関係者は「マグナチップの技術力とノウハウは、中国に比べ少なくとも2-3年先行していると評価されている。OLED市場で追い付きたい中国にとって、マグナチップは何としてでも買収すべき会社だったはずだ」と分析した。
そうした理由から、韓国政府がマグナチップ売却を阻止すべきだとする声もある。青瓦台の国民請願掲示板には28日、「国家の半導体核心技術の流出防止に向け、マグナチップの中国資本への売却を阻止してください」という請願があり、1日で5000人以上が同意した。
請願人は「中国は半導体崛起を掲げ、国家レベルで数十億ウォンを投資しており、マグナチップを買収すれば、先端OLEDドライバーチップとパワー半導体事業で短期間に技術力を引き上げる契機となり得る」と指摘し、「それは今後国内(韓国)の半導体・ディスプレー産業のみならず、国家競争力にも問題が生じるとみられる」と懸念を示した。
実際に中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)はハイニックス半導体の液晶ディスプレー事業部を分社化したハイディスを2017年に買収し、3年後の昨年、液晶ディスプレー分野でLGディスプレーを抜き、世界首位に立った。
マグナチップが保有する技術は韓国産業通商資源部が定める「国家核心技術」に該当するため、政府の承認が必要だとする主張もあるが、それは事実ではないことが分かった。韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン常務は「マグナチップが保有する技術は最先端システム半導体技術ではない。国家が指定した半導体核心技術には含まれないと認識している」と述べた。
ウォン・ジンウ記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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