ナイジェリアの有名「インフルエンサー」(世間に与える影響力が大きい行動を行う人物)が、北朝鮮のハッカーらがマルタの銀行から盗んだ資金を洗浄するのに関与していたことが分かった。これに先立ち米司法省は、北朝鮮のハッカー3人が世界中の銀行や企業から13億ドル(約1370億円)以上の現金と仮想通貨を盗んだり要求したりしたとして起訴した。
ブルームバーグ通信や英紙ガーディアンなどが21日(現地時間)に報じ..
続き読む
ナイジェリアの有名「インフルエンサー」(世間に与える影響力が大きい行動を行う人物)が、北朝鮮のハッカーらがマルタの銀行から盗んだ資金を洗浄するのに関与していたことが分かった。これに先立ち米司法省は、北朝鮮のハッカー3人が世界中の銀行や企業から13億ドル(約1370億円)以上の現金と仮想通貨を盗んだり要求したりしたとして起訴した。
ブルームバーグ通信や英紙ガーディアンなどが21日(現地時間)に報じたところによると、米司法省は北朝鮮のハッカー3人の資金洗浄を支援したのがナイジェリア人のラモン・オロルンワ・アッバス氏だと明らかにした。
アッバス氏はインスタグラムで「ハッシュパピー(Hushpuppi)」というアカウント名で活動しており、フォロワーは250万人に達するという。高級車を運転する写真やプライベートジェットに搭乗する写真などで話題を集めた。
アッバス氏は2019年2月、北朝鮮のハッカーがサイバー攻撃によってマルタの銀行から強奪した資金の洗浄を支援するために、カナダ系米国人のガレブ・アラウマリ氏らと共謀した。
アッバス氏はまた、19年10月に米国の法律事務所の法律代理人から92万3000ドル(約9750万円)をだまし取った組織に加担していたほか、英プレミアリーグ所属のサッカークラブから1億2500万ドル(約132億円)をだまし取るために陰謀を企てた疑いも持たれている。
アッバス氏は昨年7月、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイから犯罪人として米国に引き渡され、北朝鮮ハッカーらの資金洗浄に関与した疑いを持たれているほか、電子メールによるフィッシング(詐欺)犯罪や各種詐欺を通じて手にした数億ドルを洗浄した疑いも持たれている。アッバス氏は企業の電子メールアドレスをハッキングし、企業間の送金が成立する前に口座番号を変更する手口などを使っていたことが分かった。
共犯者のアラウマリ氏は、北朝鮮のハッカーらがATMへのハッキングによってパキスタンとインドの銀行などから盗んだ数百万ドル(約数億円)の資金を洗浄するために、米国とカナダで組織を操っていた疑いが持たれている。アラウマリ氏は19年10月から米当局の捜査に協力し、昨年11月には減刑の司法取引に秘密裏に署名していたことが分かった。
米司法省は、14年から昨年にかけて広範囲にわたるサイバー攻撃と金融犯罪を働いたとして、北朝鮮の朝鮮人民軍偵察総局に所属するハッカー3人を起訴したと17日発表した。米司法省は報道資料で、3人の名前に「チョン・チャンヒョク(32)」「キム・イル(27)」「パク・チンヒョク(37)」とハングル表記を併記した上、顔写真入りの指名手配ビラも公表した。
3人は中国、ロシア、シンガポールなどに出入りしながら全世界を相手にサイバー攻撃を敢行した。サイバー攻撃を通じて強奪を試みた外貨と仮想通貨の価値を合わせると13億ドルに達する。
公訴状によると、北朝鮮の偵察総局は15-19年にベトナム、バングラデシュ、台湾、メキシコ、マルタなどの銀行システムにマルウェア(悪性コード)を侵入させ、SWIFT(国際銀行間の決済システム)コードをハッキングしたことが調査の結果分かった。3人は銀行の内部システムにアクセスし、自分たちがコントロールできる第三国の口座に巨額の外貨を送金するよう仕組んだという。
オ・ギョンムク記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com