現政権になって、市民団体(非政府組織〈NGO〉)出身者たちが青瓦台・政府・与党に多数進出した。NGO関係者が与党関連の中核部に布陣し、事実上、政策決定を牛耳る状況になったのだ。権力・政策の監視者ではなく執行当事者になるにつれて市民団体固有の機能も失いつつある。脱原発・収入主導成長・親労働政策・高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置・不動産などの主要政策で政府と声を合わせているのだ。市民団体が要求して..
続き読む
現政権になって、市民団体(非政府組織〈NGO〉)出身者たちが青瓦台・政府・与党に多数進出した。NGO関係者が与党関連の中核部に布陣し、事実上、政策決定を牛耳る状況になったのだ。権力・政策の監視者ではなく執行当事者になるにつれて市民団体固有の機能も失いつつある。脱原発・収入主導成長・親労働政策・高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置・不動産などの主要政策で政府と声を合わせているのだ。市民団体が要求してきた政策がそのまま反映される場合も多い。昨年の「チョ国(チョ・グク)疑惑」に続き、最近では尹美香(ユン・ミヒャン)議員と「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)の問題でも、市民団体は権力を批判するのではなく、むしろ擁護するような姿勢を見せた。チョ国疑惑を機に市民団体「参与連帯」を離れたキム・ギョンユル「経済民主主義21」代表は1日、「現在は宦官(かんがん)のような市民団体やマスコミ(関係者)が幅を利かせている」と言った。
■党・政・青瓦台を掌握した市民団体出身者
青瓦台では秘書官クラス以上の参謀陣54人(国家安保室・警護処を除く)のうち9人(17%)が参与連帯や民主社会のための弁護士会(民弁)といった市民団体の出身者だ。中央部処(省庁)長官18人のうちでは3人が市民団体出身者で、与党・共に民主党議員177人のうちでは19人(11%)がさまざまなNGO活動をしていた。
文在寅(ムン・ジェイン)政権は発足当初から市民団体出身者の抜てきに積極的だった。弁護士時代に社会運動をしていた文大統領の人事路線が反映されたと分析されている。参与連帯の経済改革センター所長を務めた金尚祖(キム・サンジョ)現青瓦台政策室長だけでなく、張夏成(チャン・ハソン)初代政策室長、金秀顕(キム・スヒョン)前室長も皆、参与連帯出身だ。牧師である金巨性(キム・ゴソン)市民社会首席秘書官は反腐敗国民連帯事務総長などを務めた。大学教授の金淵明(キム・ヨンミョン)社会首席秘書官は2003-04年に参与連帯で社会福祉委員長として活動した。秘書官クラスでは金霽南(キム・ジェナム)気候環境秘書官は緑色連合の事務処長などを務め、脱原発運動の先頭に立った。
民弁出身者では、文大統領と「法務法人 釜山」で共に働いた縁で現政権の初代法制処長を務めた金外淑(キム・ウェスク)人事首席秘書官が代表的な例だ。李光哲(イ・グァンチョル)民情秘書官とキム・ミギョン均衡人事秘書官も民弁出身だ。
政府部処長官18人のうちでは、金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官が参与連帯平和軍縮センター諮問委員をしていた。趙明来(チョ・ミョンレ)環境部長官は韓国環境会議共同代表と環境正義市民連帯運営委員を務めた。李貞玉(イ・ジョンオク)女性家族部長官は女性平和外交フォーラム代表だった。朴恩正(パク・ウンジョン)国民権益委員会委員長は参与連帯共同代表をしていた。李美卿(イ・ミギョン)韓国国際協力団(KOICA)理事長は最近、共に民主党の尹美香議員関連で問題になっている韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)で1990年代初めから活動し、広報委員長などを務めた。韓相赫(ハン・サンヒョク)放送通信委員会委員長は民主言論市民連合代表を務めた。
共に民主党では最近、女性団体や民弁出身者が多数、国会入りした。南仁順(ナム・インスン)最高委員=3選=は韓国女性団体連合代表だった。鄭春淑(チョン・チュンスク)議員=再選=も韓国女性団体連合の女性人権委員長をした。女性初の国会副議長候補になった金相姫(キム・サンヒ)議員=4選=は韓国女性民友会代表を務めた。
民弁出身者では、昨年の「チョ国疑惑」時、チョ国・前法務部長官の弥縫の先頭に立った金容敏(キム・ヨンミン)議員、「チョ国白書」の製作に参加したキム・ナムグク議員らがいる。女性家族部長官を務めた陳善美(チン・ソンミ)議員=3選=は民弁の女性人権委員会委員長だったし、朴柱民(パク・チュミン)議員=再選=は民弁で事務次長をしていた。イ・ジェジョン議員=再選=も民弁出身だ。
■政界と結託して「権力監視」衰退
市民団体出身者たちの中には、以前活動していた時に現与党を援護し、過去の保守政権を批判していた人が多い。権力けん制ではなく、権力擁護に力を入れていたこれらの人々が党・政府・青瓦台に合流したことで、文政権の政策はいっそう強硬一辺倒になった。市民団体が不動産増税を主張すると青瓦台が総合不動産税引き上げを主導して、チョ国捜査を批判すると国会が公捜処設置の先頭に立つといった具合だ。脱原発政策や所得主導成長、親労働政策といった政府の主要政策にも市民団体の政権同調化現象ははっきり現れている。
専門家らは「度を越えている」と指摘する。元東洋大学教授で評論家の陳重権(チン・ジュングォン)氏は先月25日、民主言論市民連合・参与連帯・女性団体などの親与党性向を持つ関係者の言動を批判し、「過去にもある程度の偏向性はあったが、権力を握り、利権に近づいたからなのか、最近は忠誠競争をしているかのように非常に露骨に党派的だ」と語った。
パク・サンギ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com