▲ソウル地下鉄2号線江南駅のホーム。12日撮影。/NEWSIS
コロナ集団感染の影響でソウル市内の地下鉄やバスの乗客が最高で37%急減
防疫当局「感染者の飛沫(ひまつ)がなければ感染の可能性はほぼない」
12日、職場から退勤する時間、ソウル地下鉄新道林駅、九老駅に向かう地下鉄1号線の列車内でマスクをしていない女性二人が立って会話していたところ、近くに座っていた乗客たちが席を移動し始めた。一部は隣の車両に移動した。
乗客らの視線を感じた二人は会話をやめた。席に座っ..
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▲ソウル地下鉄2号線江南駅のホーム。12日撮影。/NEWSIS
コロナ集団感染の影響でソウル市内の地下鉄やバスの乗客が最高で37%急減
防疫当局「感染者の飛沫(ひまつ)がなければ感染の可能性はほぼない」
12日、職場から退勤する時間、ソウル地下鉄新道林駅、九老駅に向かう地下鉄1号線の列車内でマスクをしていない女性二人が立って会話していたところ、近くに座っていた乗客たちが席を移動し始めた。一部は隣の車両に移動した。
乗客らの視線を感じた二人は会話をやめた。席に座っていなかった約30人の乗客のうち、つり革や手すりを握っていた人はわずか3-4人にすぎなかった。腕組みしたりポケットに手を入れたりしていた。習慣的につり革を手にしてすぐ離す人もいた。冠岳区に住むパク某さん(52)は「つり革を握ったら武漢コロナがうつるかもしれないが、無意識につり革を取るかもしれないので、手をポケットに入れている」と話した。乗客らは隣の車両に移動するときも、自動ドアのボタンを指では押さず、肘などを使った。武漢コロナウイルス感染症が首都圏に広がったことで起こった「公共交通機関フォビア」(phobia=恐怖症)の現場だった。
この日、九老区コールセンターでの集団感染で感染が確認された市民は前日よりも10人増え109人になった。コールセンターがあったコリア・ビルディングの9階と10階ではそれぞれ1人ずつ感染していた。11階のコールセンター職員ではない別の階にいた人の感染が確認されたのはこれが初めてだ。京畿道富川市では、コールセンター職員が8日に礼拝に参加した教会で4人が新たに感染した。残り4人の感染経路は明らかになっていない。ソウル市によると、このビルの13-19階のオフィステル(住居兼用オフィス)に住む住民200人は全員が陰性だった。
■公共交通機関による移動時の感染を恐れる市民
ソウル市が12日に発表したところによると、武漢コロナの発病以前と比較したところ、平日を基準にした先週(3月2-6日)の地下鉄(1-9号線)利用客は37%も減少した。地下鉄だけではない。ソウル市内の路線バス利用者も、平日同じ期間で32.1%減少した。今月8日に起こった九老区コールセンターでの集団感染の影響で、公共交通機関の利用客が半分に減るとの見通しも出ている。在宅勤務の普及や全般的な「社会的距離を置く」運動の影響もあるだろうが、市民らが武漢コロナへの感染を懸念し、できるだけ公共交通機関の利用を控えているのも一因だ。
この日動線が公開された九老区コールセンターと関連する感染者20人の地下鉄利用パターンを本紙が分析したところ、半分の10人は1号線を利用して職場に通っていた。仁川と京畿道富川から出勤する職員がほとんどだった。地下鉄2号線で新林駅と新道林駅を行き来していた職員、1号線の倉洞駅と九老駅を行き来していた職員もいた。事実上「首都圏地下鉄の全ての駅が動線」と言われるのはそのためだ。地下鉄など公共交通機関の利用に対する恐怖がさらに高まっているのもこれが理由だ。
このような状況を受け、感染のリスクを減らすため市民は公共交通機関の利用を避けたり、徹底した備えを行ったりしている。キム・ヒョンシクさん(42)は「専業主婦の妻が今月10日から毎日、楊坪洞の自宅から汝矣島の会社まで車で送ってくれた」と語る。この日、新道林駅から仁川方面に向かう地下鉄を利用していた乗客は、立った状態でマスクを着用し、登山用手袋、綿の手袋、医療用ラテックス手袋などをした手でつり革を握っていた。
■まだ公共交通機関で感染が確認されたケースなし
防疫当局は、武漢コロナの感染者とマスクなしに2メートル以内の距離で15分以上居合わせると、感染が起こる恐れがあるとみている。通勤時間帯の公共交通機関はこのどちらの条件も満たしている。しかし中央防疫対策本部のクォン・ジュンウク本部長は12日「防疫当局の立場としては、公共交通機関の利用を過度に不安に考える必要はないとみている」と述べた。武漢コロナは飛沫によって感染するが、通勤時間帯の公共交通機関内部で飛沫が飛ぶ可能性は低いというのがその理由だ。高麗大学九老病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「マスクをしっかりと着用し、地下鉄で騒いだりしなければ、感染の可能性はかなり低下する」「武漢コロナは短時間で解決しない可能性が高いので、市民はこのような予防の習慣に慣れておかねばならない」とコメントした。
一部では「『バスの車内で4.5メートル離れた場所にいた人が感染した』と報告した中国の論文もある」として懸念する声もある。しかしこれについて 明知病院感染内科のチェ・ガンウォン教授は「特定の状況でのみ考えられる極端なケースであり、一般的にはこのような形で感染する可能性は非常に小さい」と指摘する。現在まで国内で公共交通機関を通じた感染の事例は確認されていない。ソウル市は今月10日と11日の2日間にわたり、新道林駅で集中的な防疫消毒を実施し、1号線で運行する列車や駅全体に対しても防疫消毒を完了した。
ヤン・ジホ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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