米国の大統領経験者たちが政党に関係なく集まる様子は見ていて新鮮だ。昨年末に行われたジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の葬儀に大統領経験者たちが並んで座っていた様子もそうだった。一昨年にはあるスポーツイベントでオバマ、ブッシュ、クリントンの各氏が肩を並べて記念写真を撮ったことも話題になった。米国でも現職の大統領と前大統領、元大統領が互いに批判し、新しい大統領が就任すると前政権の政策を完全にひっくり..
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米国の大統領経験者たちが政党に関係なく集まる様子は見ていて新鮮だ。昨年末に行われたジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の葬儀に大統領経験者たちが並んで座っていた様子もそうだった。一昨年にはあるスポーツイベントでオバマ、ブッシュ、クリントンの各氏が肩を並べて記念写真を撮ったことも話題になった。米国でも現職の大統領と前大統領、元大統領が互いに批判し、新しい大統領が就任すると前政権の政策を完全にひっくり返すことはよくある。ただそれでも相手が「国のために働いた」という事実そのものは認める。自分たちが国民からどう見えるか意識することも決して忘れない。
韓国政府が管理する歴代大統領の記念施設に朴槿恵(パク・クンヘ)大統領関連の資料だけが展示されていないという。世宗市の大統領記録館、青南台大統領記録館(忠清北道清州市)、文化体育観光部(省に相当)の大韓民国歴史博物館のいずれにも李承晩(イ・スンマン)大統領から李明博(イ・ミョンバク)大統領までの各大統領に関連する写真や記録が保管されているが、朴槿恵大統領のものだけはなかった。時間がなかったわけではなく、空間が足りないわけでもない。どういうわけかあえてそうしたのだ。
皮肉にもこれらの施設は李明博・朴槿恵政権の時に設置された。どの大統領の関連資料を退任後いつまで展示するかという規定もないようだ。李明博大統領の肖像画は退任から2カ月後に設置されたが、朴槿恵大統領は2年以上過ぎても展示されるかさえ決まっていない。記念館の担当者は「まだ資料を整理しているところだ」としか語らない。
その一方で歴史を伝えるはずのこれら記念館で、どういうわけか「現職大統領」の顔が展示されている。世宗市では金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)・文在寅(ムン・ジェイン)大統領の3人が北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正恩(キム・ジョンウン)委員長とそれぞれ会った時の写真がセットのように掲げられ、「平和に向かう道」という題目も付けられていた。青南台でも同じような展示が行われている。しかしここには朴正煕(パク・チョンヒ)大統領による7・4南北共同宣言や盧泰愚(ノ・テウ)大統領による北方外交などに関連する展示はない。ある観覧客は「現政権の意向に合わせた展示は行われているが、朴槿恵大統領関連の写真は1枚もない」と抗議したという。弾劾も歴史であり、朴槿恵氏が大韓民国の大統領だったことも歴史だ。
現政権による「歴史政治」はその時々の政治的な必要性によって変わる。文大統領は2012年の大統領選挙当時、李承晩・朴正煕大統領の墓参りはしなかったが、17年の大統領選挙では「統合」を口実に墓参りを行った。つい先日まで「建国100年」などと騒いでいたかと思えば、北朝鮮がこれを嫌うと知ると突然やらなくなった。解放から70年以上過ぎたが、100年過ぎた学校の校歌を「親日清算」を理由に廃止し、6・25戦争(朝鮮戦争)の南侵責任者に独立有功者として勲章を授与するという。この偏狭で変質した歴史政治はいつになったらその正体を現すのだろうか。
韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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