米ロサンゼルスを出発して金浦空港に向かっていた旅客機が上空1万メートルで傾いた。乗客が一斉に前方に殺到したからだ。40代の韓国人乗客が酒に酔い、暴れ出したためだった。この男はほかの乗客の髪の毛を引っ張り、罵声(ばせい)を浴びせた。1993年3月のことだった。その4カ月後には、東京からソウルへ向かう旅客機の中で、30代の主婦が酒を飲んで騒ぎ、「静かにしてくれ」と言った乗客を拳で殴ったとしてニュース..
続き読む
米ロサンゼルスを出発して金浦空港に向かっていた旅客機が上空1万メートルで傾いた。乗客が一斉に前方に殺到したからだ。40代の韓国人乗客が酒に酔い、暴れ出したためだった。この男はほかの乗客の髪の毛を引っ張り、罵声(ばせい)を浴びせた。1993年3月のことだった。その4カ月後には、東京からソウルへ向かう旅客機の中で、30代の主婦が酒を飲んで騒ぎ、「静かにしてくれ」と言った乗客を拳で殴ったとしてニュースになった。
中国の航空会社では女性乗務員の教育時、ほふく前進や丸太持ち上げなどの訓練も行うという。機内で暴れ回る「空怒族」(空港や旅客機で激怒して暴れる乗客を意味する中国の新語)を制圧するためだ。昨年4月、中国・大連から深センに向かう旅客機で女性客4人がケンカになり飛行機が緊急着陸せざるを得ない状況になった。座席の背もたれを後ろに倒したのがケンカの原因だったという。2014年末には南京行きの便に乗った20代のカップルが、隣同士の座席にしてくれなかったという理由で乗務員に熱湯をかけ、「飛行機を爆破する」と騒いだため、飛行機が引き返した。
米国では機内暴力を振るえばすぐに拘束される。今年4月に釜山からグアムに向かう旅客機内で酒を飲み、乗務員に暴言を吐いた40代の韓国人歯科医師は、空港に着陸するやいなや米連邦捜査局(FBI)に連行された。この歯科医師は裁判で懲役3年を言い渡された。先月、ペンシルバニア州アレンタウンに向かうデルタ航空の機内で「トランプ氏支持」を叫んだ白人男性はブラックリストに載り、今後はデルタ航空を利用できなくなった。
一昨日、ある貿易会社社長の30代の息子がベトナムからソウルに向かっていた飛行機の中で2時間にわたり暴力を振るった。酔って隣の乗客をたたき、止めようとした女性乗務員の腹を蹴り、航空会社社員の顔にツバを吐いた。乗客が撮影した動画は動画共有サイト「ユーチューブ」にアップロードされている。その飛行機に乗っていた米国人歌手リチャード・マークス氏はほかの乗客たちと一緒に暴れている男を取り押さえた。同氏はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に「女性乗務員はこのpsycho(精神病質者)をどう制止すべきか全く知らなかった」とし、米国のテレビでこの様子が詳しく報道されるだろうと書いた。
問題の乗客は9月にも同様の行為をしていた。それでも制止されずに飛行機に乗っているだけでなく、今回の事件でも警察は男から事情を聞くと、すぐに家にかえした。米国では乗務員業務妨害罪が最大20年の懲役刑だというが、韓国では1000万ウォン(約100万円)以下の罰金刑だ。数日前にはチリで外交官が現地の若い女性に対してわいせつな行為をする様子がテレビで放映された。そうでなくても、崔順実(チェ・スンシル)国政介入問題で外国人に対して顔向けできないほど恥ずかしい思いをしているのに、あちこちで「アグリー・コリアン(醜い韓国人)」が騒動を起こしている。
アン・ソクベ論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com