今月21日、江原道の東部戦線(軍事境界線近く)にある韓国陸軍第22師団の見張り所(GOP)で銃乱射事件が発生したとき、消防当局の救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)で重傷者を搬送するのが1時間近く遅れていたことが分かった。軍がドクターヘリの出動を要請しておきながら、着陸地点をきちんと知らせず、飛行の承認もしていなかったためだ。
京畿道南楊州市の中央119救助本部(以下、救助本部)によると、国防..
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今月21日、江原道の東部戦線(軍事境界線近く)にある韓国陸軍第22師団の見張り所(GOP)で銃乱射事件が発生したとき、消防当局の救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)で重傷者を搬送するのが1時間近く遅れていたことが分かった。軍がドクターヘリの出動を要請しておきながら、着陸地点をきちんと知らせず、飛行の承認もしていなかったためだ。
京畿道南楊州市の中央119救助本部(以下、救助本部)によると、国防部(省に相当)はこの日午後9時28分、ドクターヘリの出動を要請した。老朽化している軍のヘリコプターを利用した場合、事件現場から太白山脈を越え、京畿道城南市の国軍首都統合病院まで搬送するのは困難だと判断したためだ。
救助本部は15分後に出動準備を完了したが、離陸できなかったという。国防部が知らせてきたヘリポートは軍事境界線近くにあるため、軍の規定により、非軍事用のヘリコプターは「いかなる場合でも」夜間に進入できない場所だった。このことに気付いた軍はあわてて、飛行禁止区域の外にあるヘリポートに着陸するよう通知した。
ヘリポートは分かったものの、飛行を承認しなければならない軍の担当者は皆話し中だった。目的地は軍事境界線に近いため、国土交通部の承認だけでなく、軍の追加承認も必要だったのだ。
この飛行承認の手続きのため、さらに30分を要した。当時、軍の担当者に電話をかけた救助本部の関係者は「第1軍司令部の航空課など、飛行承認の権限を有する軍の機関はどこも電話がつながらなかった」と語った。数十回電話をかけた末、ようやく管理室につながったが、返ってきた答えは「認可の担当者が席を外している」というものだった。認可の担当者の携帯電話もまた話し中だった。
ドクターヘリは結局、出動要請から1時間7分がたった午後10時35分にようやく離陸し、11時37分に現場に到着した。銃撃を受けた兵士2人の生命が危ぶまれる状況で、出動が52分も遅れたというわけだ。国防部の関係者は「状況を報告するため、全ての通信回線が使用中の状態で、救助本部からかかってきた電話を取れなかったことが分かった」と釈明した。
オム・ボウン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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