記者の自宅はソウル市麻浦区合井洞にあり、仕事場は中区太平路の光化門近くにある。もし今、北朝鮮の挑発が始まったら、どこへどのように逃げるべきなのだろうか。
昨年6月に行政安全部(省に相当)が行った調査では「非常時の行動要領を知っている」と答えた成人の割合は58%にすぎなかった。記者は、残りの42%に属する。ソウルは、北朝鮮の長射程砲が弾をこめ始めてからわずか3-5分で砲弾が降ってくる位置にある。
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記者の自宅はソウル市麻浦区合井洞にあり、仕事場は中区太平路の光化門近くにある。もし今、北朝鮮の挑発が始まったら、どこへどのように逃げるべきなのだろうか。
昨年6月に行政安全部(省に相当)が行った調査では「非常時の行動要領を知っている」と答えた成人の割合は58%にすぎなかった。記者は、残りの42%に属する。ソウルは、北朝鮮の長射程砲が弾をこめ始めてからわずか3-5分で砲弾が降ってくる位置にある。
北朝鮮の空襲・砲撃を知らせる空襲警報のサイレンが鳴ったら、反射的に動かなければならない。非常事態に際してどこへ、どのように、何を持っていくべきかを、記者が自らワンステップずつ調べてみた。
空襲が始まった時、最も安全な場所は地下退避所だ。記者の自宅に地下室はない。周囲にも、特に大きなビルはない。自宅近くの避難場所は、国家災難情報センターのホームページ(http://www.safekorea.go.kr/)で確認できる。まず、ホームページの右側上段にある「民防衛」をクリックする。そこから「施設・装備・化生放」、「非常施設」の順でたどっていけば「非常施設検索」メニューが現れる。住所を入力すれば、一番近い避難場所が表示される。記者の場合、自宅から歩いて8分の距離にある「合井駅(ソウルメトロ2号線、6号線)」が最適の場所だった。ただし、地下に避難する際には、必ず階段を利用しなければならない。エレベーターは停電・火災で閉じ込められる危険性がある。
非常食も持っていかなければならない。韓国政府が推奨する量は、約30日分の食糧だ。成人なら1人につきコメ12キロ。さらにラーメン、缶詰なども用意しておくとよい。記者が大手スーパーのインターネット・ショッピング・モールにアクセスしてコメ10キロ(3万3800ウォン=約2900円)、ラーメン20個(1万2680ウォン=約1100円)、小麦粉2.5キロ(3400ウォン=約300円)、ゴマの葉の缶詰4個(7920ウォン=約700円)、ツナ6缶(8450ウォン=約730円)などを注文したところ、合計6万6250ウォン(約5730円)掛かった。それ以上は必要ないというのが、韓国政府の説明だ。
状況により、国が配給(コメ、ラーメン、油、ブタンガス、塩)を実施するからだ。水はどこで手に入れるか。国家災難情報センターのホームページは、避難施設と共に非常給水施設についても教えてくれる。記者の避難場所になる合井駅周辺では、楊花子ども公園に120トン、サムサン・マンションに180トン規模の非常給水施設があった。
防毒マスクも必須の装備だ。サムゴン物産やサンチョンなどのメーカーで生産している。インターネット・ショッピング・モールでも5万-20万ウォン(約4300-1万7300円)で購入できる。
防毒マスクがない状態でNBC(核・生物・化学)攻撃に遭ったら、ハンカチ・ごみ袋・雨合羽などが一時的に使える。ハンカチを水に浸して鼻と口を覆ったり、ごみ袋を頭からすっぽりかぶって腰のところを縛ったりすれば、一時しのぎにはなる。傘やビニール製の合羽、コートなどは、NBC攻撃時に落下物による被害を防ぐのに役立つ。
炊事用のカセットコンロ、コッヘル(携帯用の小型調理器具)、ブタンガス(15本)も必要だ。厚手の服(1着)、丈夫な靴(1足)、毛布は防寒用。また韓国政府は、携帯用のライト、ろうそく、マッチ、ラジオ(乾電池含む)も非常時用の準備品として紹介している。
消防防災庁予防総括課は「家族とはぐれたときに落ち合う場所も、あらかじめ決めておくべき」と語った。また、保険証書・契約書・パスポートなど重要な書類も一つにまとめておくべきだというアドバイスもあった。
職場で勤務中に非常事態が発生したら、職場の民防衛隊の指示に従って、指定の退避所に向かえばいい。避難する際は、地下に閉じ込められた場合に備えて携帯電話や、パイプをたたいて音を出せる物を用意するくらいにとどめ、速やかに移動しなければならない。
家でも職場でもない、街中で非常事態に直面した場合はどうすべきか。記者は、消防防災庁のスマートフォン用アプリ「災難のお知らせ」の助けを借りた。アプリのマーケットで無料ダウンロードできる。作動させると、地理情報システム(GIS)を利用して、現在地の近くにある避難施設を教えてくれる。記者の職場近くにある徳寿小学校(ソウル市中区貞洞)で検索してみたところ、半径500メートル以内に9カ所の避難所があった。韓国国内には合計2万5724カ所の非常退避所があり、このうち3919カ所がソウル市内にある。
退避所が遠い場合や、案内員がおらず位置が分からない場合は、付近の地下鉄駅、ビルの地階、官公署の地下施設、地下道などに入るべきだ。避難する時は、建物にぴったりくっついてはならない。建物から離れていれば、落ちてきたガラスの破片などでけがをするのを避けられる。
李永民(イ・ヨンミン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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