▲北朝鮮の元山港に寄港して釜山に戻ったモンゴル船籍の貨物船を調査する釜山海洋警察などの合同捜査チーム。/釜山海洋警察 ▲北朝鮮の元山港に寄港して釜山に戻ったモンゴル船籍の貨物船を調査する釜山海洋警察などの合同捜査チーム。/釜山海洋警察

 釜山港に停泊していたモンゴル船籍の貨物船を操縦し、韓国政府の許可を得ずに北朝鮮に行って戻ってきたインドネシア国籍の船長が、逮捕・送検された。

【写真】釜山港を出航して元山港に停泊中のモンゴル船籍の貨物船

 釜山海洋警察署は8日、南北交流協力に関する法律違反容疑などでインドネシア国籍の船長(57)を逮捕・送検したと発表した。

 海洋警察によると、この船長は2月9日に釜山港で牛・豚・鶏などの食肉副産物(ホルモンなど)約450トンを積載した貨物船S号(1517トン)で出港し、韓国政府の承認を得ずに北朝鮮の元山港まで行って釜山港に戻ってきた疑いが持たれている。船長は2月11日に元山港に到着してしばらく滞在し、3月5日に元山を出港して四日後に給油目的で釜山港の南外ふ頭に入港した。

 海洋警察は「現行法によると、外国の船舶であっても韓国と北朝鮮の間で船舶などの輸送機器を運行する場合、韓国統一部(省に相当)の承認を受けなければならない」と説明した。この貨物船は台湾の法人が所有しており、逮捕された船長を含め8人のインドネシア人船員が乗っている。

 海洋警察は韓国関税庁や国家情報院など関係機関との共助を通じ、この法人と船長を立件した。船長らは海洋警察の取り調べに対し「食肉副産物450トンを売るために北朝鮮の元山港に向かったが、結局取引は成立せず、そのまま釜山港に戻ってきた」と供述している。

 海洋警察は、船長らが北朝鮮まで行って戻ってきたという事実を確認し、虚偽の入出港申告をした経緯や元山港を訪れた理由・目的などを調べた。海洋警察などは、船長らによるスパイ活動などの容疑についても調査を進めている。この貨物船は当局の調査が実施されている間は出港が禁止され、釜山港の南外ふ頭に停泊しなければならない。

 海洋警察の関係者は「承認を受けずに北朝鮮に寄港したり、虚偽の出入港届を出したりする行為は国家の安全保障に深刻な影響を及ぼす」として「今後も外交部や国家情報院など関係機関と強固に協力し、海上での安保侵害行為に対して強力に対応していく」と述べた。

パク・チュヨン記者

ホーム TOP