「弁護士の表情が無礼で不快だ」「強引な弾劾を推進した野党を批判した痛快な場面だ」

 1枚の写真を巡って相反する反応が示された。今月18日に朴性載(パク・ソンジェ)法務部(省に相当)長官の第1回弁論が開かれた憲法裁判所の前で、一つのフレームに収まった鄭清来(チョン・チョンレ)国会法制司法委員長(共に民主党所属)と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側の金桂利(キム・ゲリ)弁護士の姿を巡ってだ。

 当時の状況は次の通りだ。写真取材が共同で行われたこの日、記者は主要な人物の出席を記録する外部を担当した。鄭清来・法制司法委員長が登場すると、現場のカメラが一斉に反応した。カメラは鄭委員長が正面を見据えて歩く姿に続き、撮影エリアに立って記者たちの質問に答える姿を捉えた。

 その時、遠くから尹錫悦大統領の弾劾審判で大統領を弁護する金桂利弁護士が姿を現した。白いスーツ姿で赤いバッグを持っていた。金弁護士は、質疑応答に臨んでいる鄭清来委員長を後方から見ながら近付いてきて、鄭委員長の横を通り過ぎると、大審判廷へと向かった。現場には多くのカメラがあったが、大半は鄭委員長の質疑応答にのみ焦点を当てていた。

 金桂利弁護士は「私は啓蒙されました」発言で話題になった尹大統領側の弁護人団の一人だ。ストレートな物言いと派手な行動という特徴を事前に把握していたため、金弁護士の動線を予想して場所を変えた。戒厳と、その後に起きた連続弾劾訴追という事態で対局に立つ二人の人物が対面すれば、何かが起きるだろうと判断したのだ。金弁護士は鄭委員長に気づくと、素早く顔をそらし、短く鼻で笑って中へ入っていった。そのとき鄭委員長は視線を下げたまま表情を変えなかった。二人は目を合わせることはなかったが、一つのフレームの中で対照的な雰囲気が演出された。

 この瞬間が収められているのは筆者の写真だけだった。写真が出稿されると、即座に反応があった。新聞、テレビ、インターネットのコミュニティーサイトで共有され、拡大再生産された。その解釈は二分された。一部は「名ばかりとはいえ国会法制司法委員長に対する無礼で不快な場面だ」と批判した。しかし一方では「強引に弾劾を推進して連戦連敗している相手を見詰める痛快な表情だ」と擁護する意見もあった。

 24日には韓悳洙(ハン・ドクス)首相が復帰した。これまでに野党は30件の弾劾訴追案を提出したが、1件も認容されなかった。スコアは棄却9件、認容0件だ。野党は韓悳洙首相の権限代行に対する再弾劾と、崔相穆(チェ・サンモク)経済副総理兼企画財政部長官の弾劾というカードをちらつかせながら、与党への圧力を狙っている。

 写真に写る二人の主人公の表情に、弾劾政局下での両サイドの緊張と分断が表れている。二人の視線を巡る解釈も民心も真っ二つに割れている。

コ・ウンホ記者

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