社説
憲法裁で9戦全敗中なのに…謝罪代わりに弾劾棄却された韓悳洙首相を再び弾劾で脅す共に民主党【3月26日付社説】

韓国野党・共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は25日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行に対し「馬恩赫(マ・ウンヒョク)裁判官を直ちに任命しなければ、それは弾劾の理由になる」と発言した。憲法裁判所が弾劾を棄却し、韓悳洙代行が職務に復帰した翌日から「再弾劾」をちらつかせ脅迫したのだ。馬恩赫候補者の任命保留について憲法裁判所は「違法」と判断したが、「大統領代行罷免の決定は国政の空白や政治的混乱など国家にとって重大な損失をもたらす可能性が非常に高い」として韓悳洙代行に対する弾劾を棄却する決定を下した。中には「違法ではない」と判断した憲法裁判官もいた。それでも共に民主党は「韓悳洙代行をもう一度弾劾する」と明言している。「馬恩赫候補者任命保留を理由に大統領代行は弾劾できない」とすでに憲法裁判所が決定を下したにもかかわらず、共に民主党は聞く耳を持たないのだ。憲法裁判所の決定に対する不服の表明としか言いようがない。
これまで共に民主党が強行した13件の弾劾訴追案のうち、憲法裁判所の決定が下された9件は全て棄却だった。しかもこれら9件の平均弁論回数はわずか2.2回だ。韓悳洙代行と崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長に至っては弁論はわずか1回だった。審理を何度もやるまでもなく、棄却されて当然の「拙速弾劾」だったのだ。こんな弾劾裁判のため9人の公職者が平均5カ月にわたり職務から排除された。李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員長は就任から2日で弾劾訴追され、174日間仕事ができなかった。その間に放送通信委員会はほぼ機能不全状態だった。
共に民主党は同日、崔相穆(チェ・サンモク)副首相に対しても「韓首相以上に重大な弾劾理由がある」「罷免は避けられない」と批判した。馬恩赫候補者任命問題を口実に、崔相穆副首相の弾劾訴追を強行する構えだ。憲法裁判所が大統領代行の弾劾定足数について「国会の過半数」との判断を下したため、共に民主党はいつでも崔相穆副首相を弾劾訴追できる。口では経済の危機や山火事を心配するようなそぶりを見せるため追加の補正予算編成を求めているが、それを担当する長官には仕事をさせないというのだ。共に民主党は崔相穆副首相を「国政混乱の主犯」と批判するが、本当の主犯は誰だろうか。
共に民主党が提出した弾劾案はすでに30回に達し、うち結論が出た9回は全て共に民主党が敗北した。ところが共に民主党執行部は誰も反省も謝罪もせず、それどころか韓悳洙代行の再弾劾と崔相穆経済副首相の弾劾を今なおちらつかせている。