事件・事故
「尹錫悦を罷免せよ」 庁舎外壁に違法垂れ幕設置した光州・北区庁長、自分名義で過料を賦課して納付
光州広域市で、現職の区庁長が区庁ビル外壁に「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を罷免せよ」という内容の違法な垂れ幕を掲げて過料を納める、という事件が起きた。自らの違法行為に対して区庁長、すなわち自身の名義で過料を賦課し、納付まで行った。
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光州市北区が18日に明らかにしたところによると、文寅(ムン・イン)北区庁長は同日、北区に屋外広告物法違反の過料64万ウォン(現在のレートで約6万6000円。以下同じ)を納付した。
文区庁長はこれより先今月10日、北区庁舎外壁に縦10メートル、横幅2メートルの大型の垂れ幕を掲げた。私費45万ウォン(約4万6000円)を投じて制作したという。垂れ幕には「憲政じゅうりん 国憲紊乱(びんらん) 尹錫悦を罷免せよ」と書かれていた。「文寅光州広域市北区庁長」と名前も書き添えた。文区庁長は2022年地方選挙で進歩(革新)系最大野党「共に民主党」から出馬し、当選した。当選2回目の区庁長だ。
保守系与党「国民の力」の光州市党は、すぐに「現職区庁長が政治的中立を守るべき公共機関に違法な垂れ幕を掲げた」として陳情を行った。
これを受けて北区の広告物管理チームは今月12日、文区庁長に「17日までに自主撤去しない場合は過料80万ウォン(約8万2000円)を賦課する」という公文を送り、文区庁長が垂れ幕を降ろさなかったことから、過料80万ウォンを賦課した。公文には、文区庁長名義の職印が押されていた。文区庁長はこの日、過料の2割軽減を受けて64万ウォンを納付した。過料を早期に納付すれば20%軽減してもらえる。
北区の関係者は「現行の屋外広告物法上、公共の庁舎に掲示できるのは公共目的の広告物だけなのに、区庁長が政治的な内容の違法な垂れ幕を掲げた」と語った。文区庁長は「尹大統領に対する弾劾が認容されるまで垂れ幕を掲げ続けたい」としつつ「職員にも区庁長だからと負担に思わず、法の通りに執行せよと言った」と語った。光州市北区の条例によると、違法垂れ幕を掲げた場合、最多で3回まで過料を賦課できる。しかし、その後に強制撤去できるという規定はない。北区の関係者は「追加で法的な検討が必要」と述べた。地域からは「文区庁長が来年の地方選挙を前に名前を売るために政治的な動きをしている」との批判が出ている。
光州広域市=チン・チャンイル記者