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 五輪でメダルを獲得した元陸上選手が、心臓弁膜症を患っていることが発覚したというエピソードが注目されている。この元陸上選手は普段から、テレビを見ている時にすぐに眠くなるなど疲労感を覚えることが多く、健康診断で病気と診断されたことが分かった。

 英紙ザ・ミラーなど海外メディアが5日(現地時間)、報じた。それによると、元陸上選手のロジャー・ブラック氏(59)は最近、定期健康診断で心臓弁膜症と診断された。大動脈の弁膜を交換する大手術を受け、集中治療室(ICU)に移って11時間後に意識を取り戻した。

 心臓弁膜症とは、心臓の弁の開閉が円滑にいかなくなる疾患だ。ブラック氏の場合、検査したところ大動脈の弁が退化して大動脈の根元に圧力がかかっており、静脈全体が膨らんで危ない状態になっていた。そのため結局、開心術を受けなければならなくなった。

 ブラック氏はかつて、英国を代表する男子陸上選手だった。1992年のバルセロナ五輪で銅メダル、96年のアトランタ五輪では銀メダル2個を獲得した。それだけにブラック氏は健康には自信があり、陸上を引退した後も毎日30分のジョギングを欠かさなかったという。

 ところがブラック氏は、日常生活で激しい疲労を訴えていた。テレビの前ですぐに眠くなったり、運転中に激しい疲労に襲われて頻繁に給油所に立ち寄ったりしていた。ブラック氏は「医師には、いつかジョギング中に大動脈が破裂して死ぬかもしれないと言われた」「問題は、私自身に何ら問題がなかったということ。疲労感の他に何も症状がなかった」と話した。

 ブラック氏は現在、順調に回復中だ。手術から5週間ほど経過した最近では、一日に2回散歩するほど元気になった。ブラック氏は「私は感謝の気持ちに包まれている。私は本当に運が良かった」「手術は怖かったけれど、医師たちを信じて、自分は回復だけに集中しようと思った」と話した。

 心臓弁膜症は大抵の場合、構造的病変によって後天的に発症する。ただし、まれに先天的に構造的異常がある場合もある。韓国国内では幼少期に喉風邪の後遺症でリウマチ熱を患った後、心臓の弁が損傷したケースがある。

 英国では毎年約4万人が心臓弁膜症で死亡しているという。ある現地の医師は「問題は、この病気に関連する症状を、単なる体力低下や老化現象と考える傾向があること」だとして「息切れしやすく、階段を上るような最小限の動きでも説明できないほどの胸の痛みや疲労を感じる場合、検査を受けるべきだ」と助言した。

ムン・ジヨン記者

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