裁判
韓国憲法裁、馬恩赫任命にゴーサイン…弾劾審判の宣告控えた尹大統領側は「議決定足数確保のため」と反発
韓国憲法裁判所は27日、崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行が馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補の任命を保留している問題について「国会の裁判官選出権と憲法裁判所の構成権を侵害した」と判断した。裁判官全員一致の意見で決定した。事実上、崔相穆代行が馬恩赫候補を任命すべきという趣旨だ。ただし「馬恩赫候補が裁判官の地位にあることの確認」を求める国会の請求に対して憲法裁判所は「憲法裁判所が決める問題ではない」として却下した。
崔相穆代行は昨年12月31日、野党・共に民主党が推薦した馬恩赫候補について「与野党の合意がない」との理由で任命を保留した。これに対して禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は「国会の権限が侵害された」として国会の議決なく単独で権限争議を請求した。裁判では禹元植議長の請求人資格問題や「与野党合意」などが争点となった。憲法裁判所は1回の弁論で終結するなど早急に審理を行い、予定された宣告日当日の2時間前に宣告の先送りを決めた。
しかし憲法裁判所は「禹元植議長が国会の議決なしに権限争議審判を請求したことは違法ではない」「与野党合意により裁判官を選出する慣行があったとは言えない」との結論を下した。崔相穆代行が馬恩赫候補を任命すれば、憲法裁判所は昨年10月以来4カ月ぶりに「9人体制」となる。
法曹界では「政治的な問題や拙速審理など、問題に問題を加える決定を下した」「裁判官の充員など組織防衛のため無理に国会の側に立った」との見方が相次いでいる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弁護団は同日「大統領弾劾審判の議決定足数(6人)を確保するための政治的な手口だ」と批判した。
パン・グクリョル記者