▲韓悳洙(ハン・ドクス)首相 /ニュース1 ▲韓悳洙(ハン・ドクス)首相 /ニュース1

 韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行の弾劾訴追事件で主審を担当する憲法裁判官が5日に国会側に「(韓悳洙代行の)内乱行為に関する刑法上の違反問題を(弾劾事由から)撤回するか」と確認を求めたところ、国会側は「撤回する」と回答した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領弾劾訴追事件と同じく、韓悳洙権限代行にも刑法上の内乱罪が成立するかどうか追及しないというのだ。韓悳洙権限代行の弾劾訴追案には「内乱暴動を共謀・ほう助した」と記載されている。

 これまで野党・共に民主党は韓悳洙権限代行について「首相在任中に内乱に共謀した」と主張し、これを弾劾訴追の重要な理由としてきた。ところが金竜顕(キム・ヨンヒョン)元国防部(省に相当)長官に対する検察の訴状には「尹大統領は戒厳当日、韓悳洙首相を呼んだ際に召集理由を伝えなかった」と記載されており、しかも韓悳洙代行は戒厳令宣布に反対したとも伝えられている。それでも共に民主党は「内乱」関連の容疑を理由に職務を停止させた。実際の理由は共に民主党が推薦する憲法裁判官の任命に韓悳洙代行が応じなかったからだ。韓悳洙代行が憲法と法律に違反したからではなく、共に民主党が望む尹大統領弾劾の速戦即決に協力しなかったことを理由に弾劾訴追したのだ。

 しかも憲法裁判官任命保留は首相ではなく大統領権限代行の立場で行った。韓国の憲法と法律には大統領代行に対する弾劾訴追の定足数については規定がない。ところが共に民主党は首相に適用される「過半数定足数」を勝手に適用して韓悳洙首相を弾劾訴追し、今も崔相穆(チェ・サンモク)「大統領代行の代行」にも弾劾訴追をちらつかせている。このように行政の最高責任者に対する弾劾訴追が簡単に行われる国は国際社会から信頼されるはずもなく、また数々の行政措置も不安定な状態で残ってしまう。そのため憲法裁判所は韓悳洙代行に対する弾劾訴追の定足数について直ちに判断を下さねばならない。

 崔相穆代行が主催する国務会議(閣議に相当)では「憲法裁判所に対し、韓悳洙代行の弾劾審判について早急に対応するよう意思表明すべきだ」との意見が出たという。国内外の事情を考えるとこの指摘は至極当然だ。しかも韓悳洙代行の内乱罪については現時点で確認する必要さえなくなった。憲法裁判所は国政の安定に向け韓悳洙代行の弾劾案と定足数問題の結論を直ちに下さねばならない。

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