【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を内乱容疑で逮捕した独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」は22日、ソウル・竜山の大統領公邸と大統領室に対する家宅捜索を試みたものの、捜索令状の執行ができなかったと明らかにした。

 大統領室が午後3時ごろに令状執行の「不承認」を決め、大統領公邸については、大統領警護処のキム・ソンフン次長(処長代行)が国会の国政調査特別委員会の聴聞会に出席するため不在で令状執行の承認を受けることができなかったという。

 公捜処はこの日午前10時半ごろから検事や捜査官を大統領公邸と大統領室に派遣し、家宅捜索を試みていた。

 大統領室は軍事上・職務上の機密保持を必要とする場所・物は責任者の承認なしに押収・捜索できないと規定する刑事訴訟法の条項を理由に令状の執行を認めず、公捜処は約4時間30分後に撤収を決めた。大統領公邸については令状執行に乗り出してから約6時間での撤収となった。

 聴聞会でキム氏は大統領公邸の家宅捜索を認めるよう最大野党「共に民主党」に所属する安圭伯(アン・ギュベク)特委委員長から要請され、「大統領だけでなく大統領夫人も警護対象者」とし「法律に従って判断する」と応じた。 

 公捜処は家宅捜索で、尹大統領が宣言した「非常戒厳」に関する文書や議事録、尹大統領が使用した盗聴防止用携帯電話のサーバーログ、大統領室内のパソコンなどの確保する方針だった。

 これに先立ち、警察も20日にソウル・三清洞にある大統領の秘密施設「安全家屋(安家)」と警護処に対する家宅捜索に乗り出したが、警護処が協力せず不発に終わった。

 公捜処はこの日、検事や捜査官をソウル拘置所に派遣し、取り調べのために尹大統領を強制的に連行しようと試みたが大統領側が拒否し、拘置所での取り調べに応じなかったと明らかにした。公捜処が取り調べに応じない尹大統領の連行を試みたのは今回が3回目。尹大統領は拘置所での取り調べに応じなかったという。

 公捜処は来週が旧正月(今年は1月29日)の連休であることや、勾留期間の延長を申請する準備が必要なことなどを考慮し、早ければ今週中にも尹大統領を送検するとみられる。公捜処は尹大統領に対する追加の取り調べをすることなく事件を検察に送ることになる可能性もある。

 尹大統領が23日の憲法裁判所の弾劾審判に出席する見通しで、事実上、対面での取り調べは難しいとみられる。

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