事件・事故
ソウル西部地裁乱入事件で46人逮捕 半数は20-30代
韓国警察は「ソウル西部地方裁判所乱入・破壊事件」に関して、過激なユーチューバーなど一部の主導者が今回の事態を誘発した可能性を念頭に捜査を進めている。19日未明、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領支持者約100人がソウル西部地裁の建物内に乱入するなど暴力に加担したが、このうち警察に逮捕されたのは半数未満の46人だけだった。警察では同地裁内の防犯カメラなどを分析し、逮捕されていない乱入者を追跡しており、今回の暴動での摘発予想人数は100人を上回るとの見方が出ている。
警察は18日から19日にかけて計86人を現行犯逮捕した。このうちソウル西部地裁内に乱入した疑い(建造物侵入・共用物損壊罪など)で逮捕されたのは46人だ。年代別で見ると30代が19人で最も多く、50代11人、20代と40代がそれぞれ6人、60代3人、10代1人だった。
逮捕された46人のほとんどは「誰かに扇動されて偶発的に巻き込まれた」と供述している。当時、正門前でソウル西部地裁内への侵入を誘導する人物たちの扇動の様子が警察の採証資料にも捉えられていたという。19日午前3時ごろ、尹大統領の拘束令状発行が伝えられた時、尹大統領支持者たちはほとんどが同地裁の正門側に集まっていたが、誰かが「皆さん、裏門が開いたそうです」「裏門が大変なことになっている。みんなで行ってみよう」と叫んだということだ。これを受けて数十人が正門から150メートル離れている裏門に押し寄せ、裏門を封鎖していた警察官数十人を押し始めた。結局、警察官は5分で押し切られた。警察関係者は「先頭に立って『押してしまえ』と扇動した人物たちが誰なのか捜査している」と言った。
警察では、特にソウル西部地裁7階の判事室を捜索した10人前後が今回の事態の中心的主導者だとみている。警察はこれらの人物たちが尹大統領の拘束令状を発行した判事を襲撃する目的を持っていたかどうかを捜査している。だが、これらの人物たちが侵入した部屋は令状を発行した判事の部屋ではなく、別の令状担当判事の部屋だった。
今回の事態で警察官は計51人が負傷した。44 人は軽傷だが、7 人は全治3 週間以上の重傷を負った。パク警監(警部)は左中指骨折、ヤン警長(巡査長)は左足骨折、チェ巡警(巡査)は左小指靱帯(じんたい)が断裂した。
一方、尹大統領が逮捕された今月15日に高位公職者犯罪捜査処(公捜処)がある韓国政府果川庁舎近くで焼身自殺を図った50代男性が20日未明、入院先で死亡した。
チュ・ヒョンシク記者