大統領官邸で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と一緒にいた複数の関係者によると、尹大統領は1時間30分にわたり行われた官邸での話し合いで「私が2年半の残りの任期を静かに終えることに何の意味があるのか」「公捜処(高位公職者犯罪捜査処)や裁判所などどこもそうだ。国がこんなになってしまった」「私の考えでは、決断を下すべき重要なタイミングだ」と述べたという。

 尹大統領はさらに「私が2年半(大統領を)続けても何ができるかと感じるほど、左派カルテルが至る所で表面化しているではないか」「裁判所や公捜処など、どこもその勢力が現れている」「このように国民に危機感を持ってもらうことだけでも、最低限の役割を果たしたことにならないか」とも語ったようだ。

 その上で尹大統領はその場にいた同席者らに「残った皆さんが党と大韓民国、自由民主主義を守ってほしい」との思いを伝えた。

 尹大統領の逮捕状が執行された直後、与党・国民の力は緊急の非常議員総会を開いた。

 同党の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は非公開で開かれたこの総会で、公捜処による不法な捜査を問題視し、呉東勳(オ・ドンフン)公捜処長を職権乱用で告訴・告発する考えを示した。

 権性東院内代表は「公捜処は最初から捜査権がないのに内乱罪を捜査した点は違法だ」「そのため裁判所の令状発布、逮捕状執行は問題がある」と説明した。権性東院内代表が「党として告発してもよいか」と問いただしたところ、議員らは「はい」と答え同意したという。尹大統領に近い李喆圭(イ・チョルギュ)議員は同日議員らに「大統領を寒い冬に無知で粗暴な刃の前に追いやった人たち、民心の判断に勝てると思っているのか」と問い詰めながらも「今からでも一丸となり、互いに憎んだり責任を押し付けたりすることはやめよう」と訴えた。

チャン・ユンジョン記者、ハン・ソンウォン記者

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