▲写真=UTOIMAGE

 北極発の寒波が亜熱帯の台湾まで南下し、気温が急降下して今年だけで500人近い心停止患者が発生したことが分かった。聯合報など台湾メディアが12日、報じた。

 報道によると、各地方自治体の消防局の資料を集計したところ今月11日までに計492人の「院外心停止患者(OHCA)」が発生したという。心停止は予測のできない状況で発生するケースが多いが、中でもOHCAは病院の外で発生する心停止を指す。

 今年に入り、台湾のOHCA患者は増え続けている。10日には一日で54人、11日には55人に増えた。高齢者だけでなく中高年も含まれているという。

 台湾の医療界は、低温によって患者たちの心血管に異常が生じたとみている。ある応急(救命救急)医学科の医師は「電気料金を節約するために電気ヒーターを使用せずに過ごし、深夜に心筋梗塞などを起こして病院に救急搬送されるケースが多い」と説明した。別の応急医学科の医師は「気温が下がる明け方に突然OHCA患者が発生する。45歳以上の男性と50歳以上の女性、喫煙者などは注意が必要だ」と呼び掛けた。

 亜熱帯気候に属する台湾は、今年に入って二つの大陸性寒帯気団に覆われた。一つは今月6日に、もう一つは9日に台湾に到達し、全ての市と県で気温が10度以下まで下がった。台湾で最も高い標高3952メートルの玉山では、12日未明の気温が氷点下8.2度を記録した。

 台湾は韓国よりも気温が高くて湿気が多いため、住宅にオンドルのような暖房設備がない。そのため昨年1月に朝の最低気温が8-10度まで下がった際には、48時間で146人が死亡した。

 国立台湾病院は、心血管疾患や関連のリスク要因のある人、特に高齢者は早朝に心血管関連の急性疾患が発生しやすいとして、特別な注意を要請した。特に40-50代の人は注意が必要だと病院側は説明している。体温が急激に低下して緊急の状況が発生する直前まで、高血圧、高脂血症、高血糖などのリスク因子を認識できないケースが多いからだ。病院側は「このような理由で、一部の40-50代の患者は病院外での心停止に全く備えることができなかった」と話した。

イ・ガヨン記者

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