▲ソウル市内の大型商業施設で販売されている中国TCL製のテレビ/昨年12月2日、チャン・リョンソン記者

 韓国製家電は国内市場だけでなく、世界市場でも中国の攻勢に押されている。中国が掌握した市場の代表例がテレビだ。市場調査会社オムディアによると、中国の3大テレビブランドであるTCL、海信(ハイセンス)、小米(シャオミ)の昨年1~9月のテレビ市場における合計シェア(数量ベース)は30.1%で、韓国のサムスン電子(18.1%)とLG電子(11.3%)の合計シェア(29.4%)を上回った。中国ブランドのシェアが韓国ブランドのシェアを超えたのは今回が初めてだ。これまで首位を守ってきたサムスン電子は2020年のシェアが21.9%だったが、昨年は18.1%に後退するなど、シェアが低下傾向だ。LG電子は2020年、世界で販売台数2位だったが、今年は4位に後退した。

 中国の大手家電メーカー、美的集団(ミデアグループ)によると、2023年の同社の家庭用エアコンコンプレッサー(冷媒圧縮機)事業は世界シェア40%でトップに立った。家庭用エアコンと洗濯機モーターでもそれぞれ40%と20%のシェアを獲得し世界首位だった。同社の主要製品はエアコン、洗濯機などで、売り上げの40%以上を海外が占める。

 中国メーカー各社はプレミアム市場も攻略している。TCLは世界最大の115インチテレビを発売した。大型テレビはプレミアム製品として位置づけられ、これまでは韓国メーカーが主導してきた。TCLは「コスパの良いテレビブランド」から「格安のプレミアム製品メーカー」へと転換していく計画だと説明した。海信も今年1月に開かれた家電展示会「CES」で110インチテレビを発表した。LG電子の曺周完(チョ・ジュワン)社長もベルリンで開かれた家電展示会「IFA」で「中国はもはや貶める対象ではなく、恐るべき対象だ」と指摘している。

 韓国は過去の日本と同じ道を歩む懸念が出ている。1990年代まで日本はソニー、パナソニックなどがヒット作を連発し、「家電王国」と呼ばれていたが、韓国企業に追いつかれて世界市場で存在感が低下した。

柳智漢(ユ・ジハン)記者

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