事件・事故
最後の瞬間まで手を離さなかった機長の姿に韓国ネット涙 務安空港事故
【NEWSIS】全羅南道の務安国際空港で発生した、搭乗者179人死亡・2人負傷というチェジュ(済州)航空機事故で、機長が最後の瞬間まで飛行機を止めるために手を伸ばしている姿がカメラに捉えられていたことが分かり、涙を誘っている。
先月31日、あるインターネット・コミュニティー・サイトに、事故直前に機長がコックピット(操縦席)に座って最後の瞬間まで飛行機を止めようと奮闘している姿が写真で公開された。
この写真を掲載した人物は「機長の最後の姿」だとして、「その最後の瞬間までコックピットのパネルに手が…あなたは最善を尽くしたと信じています」と書いている。
写真を見た人々は「胸がとても痛みます」「機長と副機長の名誉が汚されないよう願います」「私もこれが見えました。最善を尽くして衝撃に備える姿勢。目の前に盛り土(コンクリート構造物)が迫るのを見ながら、何を思ったのかと考えると胸が詰まります」「最後の瞬間まで責任感を持って努力なさった機長のことを思うと、本当に涙が出ます」などのコメントを寄せている。
事故機の機長は韓国空軍出身で、6800時間を越える飛行経験を持つベテランだった。同僚の間でもすばらしい腕の持ち主だと評価されていたという。
先月29日に務安空港で発生したチェジュ航空機事故で、同航空7C2216便はランディングギア(降着装置)が展開されていない状態で滑走路に着陸を試みて衝突・爆発し、乗務員2人を除く搭乗者179人が死亡した。
事故機には乗客175人、乗務員6人の計181人が乗っていた。タイ人2人を除く搭乗者全員が韓国人で、冬休み期間中にパッケージ旅行でタイ・バンコクに行き、帰ってきた光州市・全羅南道在住の人々だったとのことだ。
今回の事故は韓国で発生した航空機事故の中で過去最多の犠牲者を出した事故となった。
チェ・インソン記者