▲ノ・サンウォン元情報司令官/写真=聯合ニュース

 「12・3非常戒厳」事態を事前に企画した疑いが持たれているノ・サンウォン元国軍情報司令官の手帳に、北朝鮮の攻撃を誘導するという趣旨の表現があることが、23日に伝えられた。また、この手帳には「国会封鎖」という表現と共に報道関係者・労組・判事・公務員が「除去対象」として書かれていることが分かった。

 韓国警察の国家捜査本部特別捜査団の関係者は23日午前、記者懇談会を開き、今月15日にノ元司令官を自宅で緊急逮捕する過程で手帳を確保したとしつつ、このように明かした。警察によると、ノ元司令官の手帳は手のひらサイズの60-70ページくらいのもので、戒厳関連の内容が多数記されていたという。ただし「布告令」に関連する内容は手帳からは見つからなかった、と伝えられている。

 警察は、この手帳に「NLL(北方限界線)で北の誘導」という表現があったと語った。さらに、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」など汎(はん)野党系がさる9日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を外患罪で告発したことに関連して「告発があったので、一緒に捜査している」と、尹大統領を捜査中だと明かした。ただし、手帳の表現どおりに実際に北朝鮮を刺激しようとする行動があったかどうかは、まだ確認されておらず「断片的な単語の切れ端であって、全体の流れまで誤って解釈してしまう恐れはある」と語った。

 警察はまた、問題の手帳で非常戒厳に関連して「国会封鎖」という表現が記されていたと明かした。ここでは、政治家・報道関係者・宗教家・労組・判事・公務員などを「除去対象」と表現していた-と伝えた。警察は「『除去』とは逮捕の意味だと解釈される」と付け加えた。判事など一部の対象者は実名まで記載されていたという。そうして、対象者の収容および処理方法についての言及も手帳の中にあった、と語った。

 ノ元司令官が事件の中心人物として捜査線上に浮かんだ背景について、韓国警察は「金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相の通話内容を確保し、分析していた中で、ノ元司令官と戒厳前後に何度か連絡を取っていたことを発見し、身元を特定したから」と明かした。その上で、ノ元司令官は現在、取り調べに対して消極的な態度を示しており、彼と戒厳前に「ハンバーガー会合」をした情報司令部関係者らを土台として事実関係を究明している、と付け加えた。

ユ・ビョンフン記者

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