▲20日午前、ソウル・汝矣島の国会で開かれた文化体育観光委員会の全体会議で、議事進行発言中に与野党の議員間で対立し、懸案質疑が遅れたため、退場する同委員会所属の朴正河(パク・チョンハ)与党・国民の力幹事=写真左=と申東旭(シン・ドンウク)議員ら。写真=news 1

 韓国最大野党・共に民主党が20日、韓国の基幹通信社である聯合ニュースが作成した「12・3非常戒厳」関連記事を「内乱宣伝」だとして聴聞会開催を要請した。これに対して与党・国民の力は「特定の報道だけで報道機関を党派分けするものだ」と強く反発した。

 共に民主党の姜由楨(カン・ユジョン)議員は同日、文化体育観光部(省に相当)などの政府機関を対象にした緊急懸案質疑で、「(聯合ニュースは)複数の記事において虚偽・美化・縮小という3種類の方法を巧みに使い、刑法第87条から第91条までの『内乱宣伝』に該当するフェイクニュースを流している」と主張した。

 姜由楨議員が問題視したのは「国防部と合同参謀本部の主要人物も戒厳を知らなかった」「戒厳軍に実弾支給はない」などの記事だ。同党の梁文錫(ヤン・ムンソク)議員も「言論の自由を拡大するため、懸案聴聞会あるいは公聴会が必要だ」と、報道機関関係者やメディア関連団体を証人として呼ぶべきだと主張した。

 すると、国民の力は「特定の報道だけを根拠にして『メディアを掌握するための枠』にはめようとするものだ」と反論した。

 同党所属の申東旭(シン・ドンウク)議員は「このような危険な時局において、(聴聞会などは)メディアの党派分けの一つに悪用される素地があるのではないか、もう少しよく考えてみなければならない」と言った。

 その上で、「言論の自由の最も大きな敵は、記事を書いた人々を追及することだ」「今、この時点でメディア関係者を一人一人呼ぶことが憲法精神に合致しているのか、民主主義の趣旨に符合しているのかを、もっと冷静に(判断)してほしい」と述べた。

 これに対し、姜由楨議員は申東旭議員に向かって「この場に参加する資格があるのか聞きたい」と、12月3日の特別戒厳宣布における行動に疑問を投げかけた。

 姜由楨議員は「『申東旭議員が国会本会議場で誰かと電話していた』として写真が撮られたと推定される時間は、『議決定足数に足りていないので、議員を引きずり出せ』という大統領の指示があったと郭種根(クァク・チョングン)陸軍特殊戦司令官が証言した時間とほぼ同じだ」と指摘した。そして、「秋慶鎬(チュ・ギョンホ)前国民の力院内代表も禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長と2回通話し、『時間をもっとくれ』と要求したが、この疑惑に対して申東旭議員はメディアのインタビューに応じていない」と主張した。

 すると、申東旭議員は「メディアの取材に応じなかったことはない。当時、電話で(秋慶鎬・前院内代表に)本会議場に来た方がいいと言った」と反論した。そして、「いったい何の根拠があって、あのような話をされるのか全く分からない。私が申し上げた話がちょっとでも事実と違うなら議員を辞める。姜由楨議員の言葉は速記録から削除してほしい」と謝罪を要求した。

 これに対して姜由楨議員は「『本会議場に来た方がいい』と電話で話しておきながら、なぜ表決はしなかったのか、釈明を要求したものだ。事実関係のどこが違うというのか」と反論した。

 野党議員たちの要求が続くと、国民の力所属議員たちはこれに反発して退場した。国会文化体育観光委員会の田載秀(チョン・ジェス)委員長は「今後、与野党幹事の協議を通じて聴聞会を開くかどうかを決める」と述べた。

 野党は11日に文化体育観光委員会全体会議を開いて非常戒厳に関する緊急懸案質疑をする予定だったが、政府・与党側の関係者が出席しなかったため、20日に延期されていた。しかし、この日も結局、議事進行発言中に与野党間の対立が起きて懸案質疑が遅れた。

イ・ミホ記者

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