▲イラスト=UTOIMAGE

 中国の女性たちが、恋人と安全に別れるために個人で警護チームを雇うケースが増えている。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が18日、報じた。

▲中国で「ホワイトマフィア」と呼ばれる専門警護チーム。/抖音(ドウイン)

 報道によると、最近SNS(交流サイト)では「ホワイトマフィア」と呼ばれる専門の警護チームが人気を集めているという。

 警護チームの役割は、女性のボディーガードだ。主に、脅迫や説得などの方法で、困っている女性たちを保護する。サービス利用者の70%は25-35歳の女性だ。SNSプラットフォームを通じて支援を要請することができる。金額はサービス内容と期間によって異なるが、平均で1万元(約21万4000円)だ。

 犯罪組織とは異なり、この警護チームは自分たちのことを「正義の女性守護者」と呼んでおり、ネットでは「ホワイトマフィア」という愛称がついた。データを違法に閲覧・破壊する「ブラックハッカー」に対抗する人たちを「ホワイトハッカー」と呼ぶのと同じだ。

 警護チームには、退役した軍将校、スポーツ選手、実業家などさまざまな経歴のメンバーがいる。警護チームのメンバーAさんは現地メディアに対し「もともとは有名人や公人を警護するために2018年に設立された」とした上で「22年以降、多くの人々が個人的な問題に対応するために支援を求めるようになってきた」と話した。さらに「法の欠点のせいで伝統的な方法では解決できない問題があったため、我々は我々なりの方法で弱者を助けることにした」と話した。

 Aさんは、警護チームが担当した過去の事例について紹介した。例えば、ある女性が暴力的な夫と離婚するために裁判所に行った時のことだ。Aさんによると、女性が法廷を出たとたん夫が報復のために硫酸を投げたが、幸いにも警護メンバーの1人が傘で女性を守ったため事なきを得たという。

 Aさんは別の事例にも言及した。ある若い女性が交際相手の男性と別れようとしたものの、男性に身体的暴力や言葉の暴力を浴びせられた上に、秘密の写真をばらまくと脅されたのだ。この女性は2万元を払って警護サービスを要請し、安全に関係を断ち切ることができたという。

 Aさんは「私たちのサービスは常に法を順守している」とした上で「顧客が必要とすれば、警察への連絡や法的支援などのサービスも提供できるよう説明し、支援している」と話した。

 これに対し、ネットでは「本物の民間警察」「チームがさらに大きく強く成長することを願う」「法の死角地帯にいる弱者を保護するために、法的手段を使っているのだ」などの反応が見られた。

チョン・アイム記者

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