社説
「尹大統領罷免手続きを速やかに進めるべき」と主張する共に民主・李在明代表の恥知らずな裁判遅延作戦【12月18日付社説】
「違法対北送金」事件で裁判にかけられている、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が、裁判官忌避申請を出した。裁判遅延作戦だ。李代表の裁判遅延作戦には終わりがない。これまで李代表は、今年7月に水原地裁で裁判を行うこの事件をソウル中央地裁に移管してほしいと申請した。これもまた裁判遅延作戦だった。この申請は大法院(最高裁に相当)で棄却された。すると再び裁判所に「裁判部を変えてほしい」と要請した。
李代表は、同じ事件で起訴された李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事と「共犯」として適示されている。李華泳・元副知事は既に懲役9年6カ月の重い刑を言い渡された。李代表は、共犯者に重い刑を言い渡した裁判部が自分の事件を担当するのは無罪推定原則に反すると称し、裁判部を変えてほしいと言い出したのだ。だが、そのような理由で事件の割り当てをやり直す根拠は法律にはない。割り当てのやり直し要請も結局棄却されると、今度は裁判官忌避申請を出したのだ。
この事件は今年6月に起訴されたが、事件の争点などを整理する公判準備期日が4回開かれただけで、本格的な裁判は始めることもできていない。弁護人らが「事件記録の複写ができなかった」「記録の検討ができなかった」として裁判を引き延ばし続けたせいだ。裁判部が「裁判がこのように遅延するケースは初めて見る」と慨嘆するくらいなので、よほどのことだ。そうやって裁判を引き延ばし、裁判部が来年から本格裁判をやると予告するや、裁判官忌避申請を出したのだ。恥知らずな裁判遅延作戦だ。
裁判引き延ばしの目的が明白な裁判官忌避申請は、当該裁判部がすぐに棄却して裁判を進めることができる。だが同事件の裁判部は「通常の手続きに基づいて進めたい」としつつも、李代表の裁判官忌避申請を受け入れた。この場合、別の裁判部で忌避申請を判断することになり、大法院の最終判断が出るまで裁判手続きは中断される。大法院の判断まで2-3カ月かかることも考えられる。しかも、この事件の裁判長は来年2月の裁判官人事で交代の対象だ。もし交代になったら、裁判をまた新たに始めなければならず、ほぼ1年にわたって裁判が一度も開けないという状況が生じかねない。これは裁判ではなく、法の籠絡(ろうらく)だ。仕方ないふりをして引っ張り回されている裁判所も、法の籠絡の共犯だ。
李代表は、一審で懲役刑が言い渡された自分の選挙法違反事件の裁判も引き延ばしている。控訴審裁判部が発送した訴訟記録受理通知書を受領しないというやり方を用いている。法の規定を悪用したのだ。そんな李代表が、憲法裁判所に向かって「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領罷免手続きを速やかに進めるべき」と圧迫している。これほどのネロナムブル(自分がやったらロマンス、他人がやったら不倫。ダブルスタンダード)も、ほかにはない。