▲12日、ソウル市竜山区の韓国大統領室庁舎で、国民向け談話を行う尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領。写真=韓国大統領室

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は12日の国民向け談話で、非常戒厳の目的は「国民に野党の反国家的悪行を知らせ、これをやめるよう警告するもの」だったとした上で、「私を弾劾しようが、捜査しようが、堂々と立ち向かう」と言った。そして、野党が要求した「即時下野」や与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が要求した「秩序ある退陣」を拒否した。尹大統領は同日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が10日に主宰した国務会議(閣議)で議決された法律案21件と大統領令案21件を裁可し、職務を再開した。韓国大統領室は、尹大統領は、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防長官の後任に指名した崔秉赫(チェ・ビョンヒョク)駐サウジアラビア大使が固辞すると、韓国陸軍中将出身の国民の力・韓起鎬(ハン・ギホ)議員に候補職を提案したという。しかし、韓起鎬議員も断ったとのことだ。

 尹大統領の国民向け談話は、国会で1回目の弾劾訴追案表決が行われる直前の7日から五日を経て発表された。同日朝、事前収録した上で放送された29分間の談話で、尹大統領は「大統領の憲法的決断がなぜ内乱になり得るのか」「大統領の非常戒厳宣布権行使は司法審査の対象にならない統治行為だ」と述べた。

 また、「今、野党は非常戒厳宣布が内乱罪に該当するとして、狂乱の剣の舞をしている」「この2年半というもの、巨大野党は国民が選んだ大統領を引きずり下ろすために退陣と弾劾の扇動をやめなかった。巨大野党が支配する国会は自由民主主義・憲政秩序を破壊する怪物になった」とも言った。

 さらに、中央選挙管理委員会に対しては、「民主主義の核心である選挙を管理するコンピューターシステムはでたらめだ」と言った。非常戒厳時に戒厳軍が中央選管を占拠したのは「国防長官に中央選管のコンピューターシステムを点検するよう指示したものだ」と説明した。

 尹大統領の談話に対して、最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「極端な方向に進むよう、あおっているのではないかと懸念される」と、同党の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は「妄想にとらわれた精神障害者(発言ママ)しか言わないようなことを言った」と述べた。

金耿必(キム・ギョンピル)記者

ホーム TOP