▲朴安洙・陸軍参謀総長が10日、ソウル市汝矣島の韓国国会で開かれた国防委員会の緊急懸案質疑で、議員の質問に答えているところ。/NEWSIS

 非常戒厳事態を受けて韓国軍幹部らが国会に出席し、質疑応答する過程で、各種の軍の機密が生中継で公開されてしまうという事件が起きている。

 非常戒厳当時の戒厳司令官だった朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長は10日、国会国防委員会の緊急懸案質疑で、戒厳当時の状況を説明しつつ「(合同参謀本部の)指揮統制をする場所の位置や概念を説明申し上げたい」として指揮統制室や戦闘統制室などの位置を話した。成一鍾(ソン・イルジョン)国会国防委員長が「階の数を全部話してもいいのか。保安事項に引っかかるのではないか」と指摘したが、朴総長は説明を続けた。すると国防部(省に相当)の金善鎬(キム・ソンホ)長官職務代行(次官)が「今、総長は重要な戦闘施設概念を話している。これは切っていただかないといけない」と、朴総長を制止した。

 さらに朴総長は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領や金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官などと決心支援室に入り、別途会議を開いた」とし、決心支援室がどの階にあるかにも言及した。戦闘統制室内に別途設けられている決心支援室は、韓国軍首脳部が安全保障など重大事案を話し合うための極秘保安施設だ。

 首都防衛司令部のB1バンカー(掩蔽壕〈えんぺいごう〉)現況や情報司令部所属軍人の実名など、軍事機密事項も質疑応答の過程で多数公開された。ここで、李鎮遇(イ・ジンウ)首都防衛司令官は「情報要員は重要資産で、名前を出したら大変なことになる」「施設の話も同様で、われわれが長い時間をかけて築いてきた資産が一挙に吹き飛ぶのは非常に心が痛む」と述べた。

 進歩(革新)系最大野党「共に民主党」は、非常戒厳事態の真相究明をするとしつつ、韓国軍幹部らの暴露を誘導している。郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官は10日、民主党の朴範界(パク・ボムゲ)議員と会って公益通報者指定の約束を受けた後、国会国防委員会で「尹大統領が直接、戒厳軍に『ドアを破って議員を引きずり出せ』という指示を下した」と証言した。公益申告者保護法により、公益通報者に認められたら、秘密の保障と不利益の禁止、身辺保護措置などが適用される。李在明(イ・ジェミョン)代表も今月9日、フェイスブックに、国会に投入された戒厳軍に向けて「あなたたちに誤りはない。むしろありがたい」と書き込んだ。

 民主党は11日、軍人たちの通報を受け付けるために「内乱事態提報センター」を立ち上げることとした。金民錫(キム・ミンソク)最高委員は「わけも分からず動員される兵士も将校も無罪だ。国民が保護するだろう」と語った。

チュ・ヒヨン記者

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