【ソウル聯合ニュース】韓国行政安全部は11日、大統領室が提出した3日夜の「非常戒厳」宣言前に開かれた閣議の議事録に関連した資料を公開した。同資料から閣議が必要最低限の条件を満たしただけで開かれたことが分かった。

 資料によると、閣議は通常行われる大統領室庁舎内の「国務会議室」ではなく、「大接見室」で開催された。接見室は通常、大統領が外部の人物に会う際に使用される。非常戒厳宣言という国の重大事案を審議する場所としてふさわしいとは言い難く、閣議が急いで準備されたことが推察される。

 閣議は3日午後10時17分ごろに始まり、22分ごろに終わった。

 閣議に出席したのは開会に必要な最小人数である11人だった。閣議には大統領と首相、各部の長官(閣僚)ら19人を合わせた21人が出席するのが通常だ。

 聯合ニュースの調べによると、尹政権発足後の2022年5月12日から今年11月26日まで開かれた閣議144回のうち、19人の閣僚が全員出席したケースは、次官などの代理出席を含めると75.7%(109回)だった。閣僚1人が欠席したケースは18.1%、2人が欠席したのは1.4%だった。

 今月3日は予定になかった閣議が急遽開かれたため閣僚が揃わず、開催の条件を満たす11人が揃ったところで審議が高スピードで進められ、わずか5分程度で終わったとみられる。

 尹大統領は閣議終了からわずか1分後の午後10時23分ごろ、生放送を通じて緊急談話を発表し、6分にわたり談話文を読み上げ、非常戒厳を宣言した。

 大統領室は当時の閣議の出席者の発言を記録していないと行政安全部に伝えた。非常戒厳宣言について、誰が賛成し誰が反対したのか、また当時の雰囲気がどうだったのかなどが依然として確認されていない。

 また戒厳解除を決定した4日未明の閣議に尹大統領は出席しなかった。大統領室の資料によると、この閣議は2分で終わったという。

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